| 2025年11月28日 |
| 名大、御神木から500年の環境影響変化調査 |
| 【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:名古屋大学 |
名古屋大学大学院生命農学研究科の谷川東子准教授は広島大学との共同研究により、中部日本の2本の御神木から500年分の年輪を読み解き、「産業革命前から開国を経て現代に至るまで」の大気汚染の移り変わりをたどったと発表した。伊勢神宮と大●神明神社の御神木を対象に大気中のイオウの起源の変化を探った。 化石燃料の消費に伴うイオウ酸化物の排出量は、2000 年代以降、世界的に減少している。しかし、現代の大気は、化石燃料の大量消費が始まる以前、つまり産業革命前と比べ、どの程度まで清浄化しているのかは、これまで明らかではなかった。今回、自然災害で倒木した中部日本の2本の御神木を対象に、年輪に含まれるイオウ安定同位体比を分析し、各年代のイオウの起源(化石燃料か自然由来か)を推定した。 日本は本格的な工業化以前までは、同位体比は高い値で安定していた。工業化の進行に伴って値はイオウ同位体比が低い石炭や石油の影響を受けて急激に低下し、その低い値は木が倒れる直前まで維持されていた。 御神木は、「イオウ排出量が減少した今もなお清浄な大気には戻っていない」、あるいは「かつて放出された化石燃料由来のイオウが土壌に蓄えられ、いまも環境中をめぐっている」ことを伝えている。この成果は、今後の気候変動対策や大気保全の指標づくりに役立つ。 本研究成果は、2025年11月13日にSpringer Nature 雑誌「Biogeochemistry」に掲載された。 (注)●は、さんずいに秋 |