2025年12月11日
九大、食事のつかえ原因は食道拡張障害?
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:九州大学

 食べたものが胸につかえるとか、飲み込みにくい(嚥下困難)といった症状は、生活の質を著しく低下させるだけでなく、つかえた食事が咽頭内に逆流することで致死的な誤嚥性肺炎のリスクにもつながる。近年、食道運動を可視化する検査法の登場によって、食道運動障害の診療は大きく進歩した。しかし多くの場合、機能性嚥下障害( FD )と診断され、原因は特定されない。FDの有病率は世界人口の約3%に及ぶが、これまで明確な診断法や治療法は存在しなかった。

 食道は、食べ物を受け入れる「拡張相」と、胃へ送り込む「収縮相」の2つの過程で働く。九州大学大学院医学研究院の小川佳宏主幹教授らの研究グループは、従来の研究がもっぱら収縮相のみに焦点を当てていたことに着目し、FDの原因が拡張相の異常にあると仮説を立てた。また米国カリフォルニア大学との共同研究により、拡張相の評価を可能にした新たな検査法を用いて解析した。
 
 その結果、FDの主要な病態が食道拡張障害であることを解明し、FDのサブタイプとして食道拡張障害という新しい疾患概念を確立した。さらに、飲み込み動作を担う喉から食道上部の筋(食道横紋筋)の収縮力低下が食道拡張障害の原因となることを発見した。
 
 なお、同研究成果は米国医学雑誌「Clinical Gastroenterology and Hepatology」(25年12月10日)に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1371