2026年01月05日
2026年 各界首脳年頭あいさつ(順不同)
日鉄ケミカル&マテリアル 右田彰雄代表取締役社長
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日鉄ケミカル&マテリアル

新年あけましておめでとうございます。
年頭にあたり、昨年を振り返りつつ、今年の方針をお話ししたいと思います。
1.
2025年の振り返り
・2025年を振り返ると、トランプ関税影響の回避とAI・データセンター需要を始めとする半導体関連需要の捕捉が大きなポイントだったと思います。
・まずトランプ関税については、4月以降、毎月、各事業に関わるサプライチェーンへの影響をフォローして参りましたが、幸いなことに一部事業を除いて、大きな影響を回避することができました。一方、半導体関連需要については、事業によって受注量に反映されるまでの時間に差があったり、需要家フォーキャストが一時的に上下に大きく振れたりしましたが、関係事業部は、上昇トレンドを概ね的確に捕捉してくれたと思います。
・その結果、25年度の収益は、実力事業利益ベースで210億円となる見通しにあり、22年度110億円、23年度127億円、24年度194億円に続き、増益を継続できる状況です。また、実力事業利益が210億円ということは、私たちが現行計画の最終年度において目指してきた目標収益が達成できるということでもあります。この5年間、日々収益改善努力を積み重ねてこられた従業員の皆さん、グループ各社の皆さんに心から感謝します。

新たな中長期経営計画
・さて、今年は、新たな中長期経営計画がスタートする年です。昨年暮れに発表された日本製鉄の2030中長期経営計画の中で、当社は、非鉄セグメントの中核グループ会社として、次の5年間で更に大きく成長することを期待されています。
・当社の新たな中長期経営計画のポイントは
第一に、収益性の更なる向上と継続的利益成長
第二に、中長期的視点に立った成長戦略の実行
第三に、カーボンニュートラルビジョンへの取り組み
第四に、これらの取り組みを支える基盤整備
の4点であります。
以下では、それぞれについて、お話しします。
(1)
収益性の改善と継続的な利益成長
・先ほど申し上げたように、当社は2025年度において210億円の実力事業利益を計上する見通しですが、ROSは未だ一桁に留まっています。新たな中長期経営計画では、事業構造の強化、マージンコントロールの更なる徹底を図ること等により、各事業の収益性を磨き上げ、全社トータルでROS10%超を達成したいと思います。
・また、成長需要の捕捉、新商品の投入等を通じ各事業の規模拡大を進めることにより、次の5年間も利益成長を継続し、収益の絶対額においても大きくステップアップすることを目指します。そのために、これまでも低誘電正接熱硬化性ビニル樹脂製造工場の新設と2基目の増設、金属箔製造所市川製造部の設置、アルミナの製造能力増強などを決定してきましたが、今後も成長需要をタイムリーに捕捉するための設備投資は積極的に実行していきたいと思います。
(2)
成長戦略の実行
・ご承知のとおり、当社は成長戦略検討委員会を設置し、これまで1年半にわたり、従業員から役員まで各層のアイディアを集め、次なる成長につながる案件を抽出してきました。
・その結果、現時点で上市に至っていないものの、比較的短期間で成果を刈り取り得る有望案件を当社は多数保有していることが改めて明確になりました。これらの所謂「短期成長戦略案件」については、新たな中長期経
営計画期間中に、確実に収益につなげてもらいたいと思います。
・また、これらの「短期成長戦略案件」とは別に、2030年以降の上市・成果発揮を目指して今後重点を置いて取り組んでいくべき「中長期成長戦略案件群」も抽出しました。これらの案件群は11の材料分野に分かれますが、いずれの分野・案件も、綿密な調査と研究、需要家とのすり合わせ、製造プロセスへの落とし込み等、様々な課題をひとつひとつ解決していく必要があります。
・まず今年は、11の材料分野を念頭に置き、成長戦略の推進体制作りに取り組みます。今後の検討により、組織の枠組みも現行から一部変更される可能性もありますが、事業の垣根を越え、製・販・研の連携をより一層強化し、新たな成長商品・分野を生み出していきましょう。
(3)
カーボンニュートラルビジョン
・当社は、脱炭素化への取り組みについて、カーボンニュートラル推進委員会で議論を重ねてきました。これまでの検討の結果、2030年度末までに、エネルギー起源およびプロセス起源のCO2を、2013年度に対して30%削減する目途を得ることができました。この内容を含め、今回、2050年までにネットゼロを目指すカーボンニュートラルビジョンを取りまとめました。
・今後は、本ビジョンの実現に向けて、省CO2に繋がる各種施策を適切なタイミングで実行に移すことに加え、中長期的な検討を要する新プロセスの開発に取り組んでいくこととします。また、当社自身の省CO2の取り組みと並行して、環境配慮型製品を上市・商品化することにより、需要家や社会の省CO2に貢献するとともに、商品としての価値訴求を図っていきたいと思います。
(4)
成長を支える基盤整備
・その第一は、DX施策の推進です。当社が競争力を高め、持続的に成長 していくには、データ基軸の業務運営が必要不可欠です。その実現に向け、最初のステップとして、データの作成、抽出のためにエクセルのバケツリレーが必要な現状を是正するためのシステム基盤の整備を図ります。その上で、第二ステップとして、基幹業務に関わるデータベースを整備し、
各部門がデータを利活用しながら課題を抽出し、対策を検討・実行できる業務環境を整備します。あわせて、こうした取り組みを支えるデータインテリジェンス人材の育成にも取り組んでいくこととします。
・基盤整備の二つ目は、ヒューマンリソースマネジメントの整備・充実です。当社が新たな中長期経営計画に沿って各年度において利益成長を継続しつつ、同時に次中期、次々中期に向けた成長戦略を企画・実行していくためには、新たな領域の専門人材を含め、多様な人材を継続的に集め、それぞれの持ち味を活かせるよう配置し、育成していく仕組みが必要です。新卒・中途採用を問わず、また男女を問わず、若手からシニアまで、多様なキャリアを持つ方々が、持ち場立場で活躍し成長を実感できるよう、人事制度や教育体系の整備・充実を図っていきたいと思います。

コンプライアンス遵守について
・安全・環境・防災・品質など、各種のコンプライアンス遵守は、新たな中長期経営計画を着実に実行していくうえでのベースとなる根本原則です。
・当社の現状を表す例として、昨年の安全成績を振り返りたいと思います。昨年発生した、休業災害、不休業災害および軽微災害全体の実に60%弱は、安全6則3心得が遵守されていれば防げていた事案でした。「基本に忠実に」、そして「ルールを守り切る」という強い決意と覚悟をもってください。そうした気持ちで、徹底的かつ組織的な対策を粘り強く継続していけば、必ず結果は付いてきます。
・このことは、安全のみならずコンプライアンス課題に共通する根本原則です。今年は、安全・環境・防災・品質を含む各種のコンプライアンス遵守活動全般において、原点に立ち返り基本ルールを守り切る活動を推進していただきたいと思います。
4.締め括りに
・以上、新たな中長期経営計画の骨格を説明しながら、今年の運営方針についてお話ししました。
・私は、今回の経営計画の策定にあたり、様々なテーマで、各事業部、製造所、総合研究本部と何度となく議論を重ねてきました。そして、その過程で、当社の至る所に、多くの成長ポテンシャルが潜んでいることを感じま
した。今回の計画では、高い目標値を掲げていますが、事業の垣根を越え、製・販・研がより一層連携して、当社が持っている多くの可能性を引き出せば、必ず達成できると信じています。
・4月以降は、新たな5年計画の実行初年度に入ります。私たちにとって幸いなことに、引き続き旺盛なAI・データセンター需要を始めとする半導体関連需要の伸びが期待できる環境にあります。フォローの風を活かし、全社一丸となって、スタートダッシュを決めたいと思います。
・それでは、皆さん 今年もよろしくお願いします。


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