2026年02月24日
広島大・ミヨシ油脂、「油」を強く固める新技術
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ミヨシ油脂

 広島大学生物生産学部の上野聡教授らは20日、ミヨシ油脂、北海道大学との共同研究により、オレオゲルを構成する脂質ウィスカー結晶の形態制御技術を確立したと発表した。結晶の形と長さを制御し、「油」を強く固める新技術を開発した。ゲルの壊れ憎さを最大約40倍向上させた。

 世界的な人口増加に伴い食糧供給の安定化が求められる中、タンパク質供給源としてPBFが注目されている。しかし、その大きな課題として「ジューシーさ」の再現が難しい点が挙げられる。オレオゲルは、この課題を克服する強力な手段といえる。

 今回研究では、オレオゲルのゲル化剤として食経験が豊富な油脂(トリアシルグリセロール)である高純度PSP(1,3-ジパルミトイル-2-ステアロイルグリセロール)を使用した。そして、オレオゲルの物性(硬さや機械的強度)が、脂質ウィスカー結晶の「長さ」と「形状」の制御によって決定されることを明らかにした。

 具体的には、結晶化の際に行う温度調整工程(テンパリング)の温度が上がると、結晶の長さが増し、貯蔵弾性率が増加することを明らかにした。さらに不純物を意図的に利用することで結晶の形状を蛇行状に変え、臨界ひずみ(機械的強度の指標)を最大で約40倍も向上させられることを示した。
 同研究の成果は、国際科学雑誌「Food Research International」のオンライン版に2025年12月4日付で掲載された。
 
【用語解説】
◆ オレオゲル
 液体油を少量(0.5 wt%など)の固体成分(ゲル化剤)のネットワーク構造内に保持させ、固体状にしたもの。バターやラードなどの固体脂肪の代替として、食品のテクスチャ改善を目的として研究が進められている。
◆貯蔵弾性率
 粘弾性を持つ材料の変形に対する弾性(元に戻ろうとする力)の大きさを表す指標。食品の硬さやしっかりとしたテクスチャに関連する。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/260220_pr4.pdf