| 2026年02月27日 |
| 金沢大、左右対称から「左右」が生まれる仕組み発見 |
| 【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:金沢大学 |
金沢大学理工研究域の吉田靖雄准教授をはじめ九州大学、北海道大学、インドネシア国立研究所などによる国際共同研究グループは27日、本来は左右対称でキラリティ(掌性)を持たない分子が、金表面上で非対称なペアを組むことで、キラリティを発現することを発見したと発表した。 人の手のように、鏡に映すと重ならない「左右の違い」は、化学の世界では「キラリティ」と呼ばれる。キラリティは、医薬品や材料の性質を左右する重要な特徴だが、こうした左右性がどのように生まれるのかについては、いまだ完全には理解されていない。 本研究では、本来は左右の違いを持たない分子であるフェナントロリンが、金の表面に吸着すると、分子同士が自発的に手を繋いで「右利き」「左利き」の構造を形成することを明らかにした。今回の研究は、キラリティが必ずしも分子にあらかじめ備わっている必要はなく、「分子が2つ組になる」という小さな出来事から、自然に生まれ得ることを示している。 このような仕組みを理解することで、将来は、表面上で左右の性質を自在に制御する新しい材料や技術の開発につながることが期待される。 本研究成果は26年2月15日にWiley出版「Advanced Materials Interfaces」オンライン版に掲載された。 【用語解説】 ■キラリティ :キラリティ(掌性)とは、右手と左手のように、鏡に映した姿と元の形が、どれだけ向きを変えても重ならないという「左右の違い」を持つ性質。このような特徴は、分子や結晶、生き物の形など、自然界のさまざまなレベルで見られる。 キラリティは、化学反応や生命の仕組みに深く関わる。キラルな分子は光学活性と呼ばれる性質を持ち、偏光した光の向きを回転させることができる。また、この左右の違いは、薬や医薬品の効き方に影響を与えることもある。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/260227_pr.pdf |