2026年03月04日
北大、「アミロイドの種類が睡眠と脳活動を左右」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学大学院 理学研究院の常松友美准教授らの研究グループは4日、東北大学などとともに、アルツハイマー病の原因物質として知られる線維化アミロイドベータ(Aβ)が、マウスの睡眠と脳波活動(皮質オシレーション)に及ぼす影響が、線維化Aβの種類によって大きく異なることを明らかにしたと発表した。

 アルツハイマー病では記憶障害などの症状に加えて睡眠障害がしばしば報告されるが、その神経生理学的メカニズムは十分に解明されていなかった。

 常松准教授らは代表的な2種類の線維化Aβ(線維化Aβ1-40、線維化Ab1-42)をマウス脳内に一度だけ投与し、その後の睡眠・覚醒状態及び脳波活動を解析した。その結果、線維化Aβ40投与群では睡眠時間の大きな変化は少ない一方で覚醒時の脳波に変化が見られ、線維化Aβ42投与群ではレム睡眠が減少するなど睡眠構造自体に顕著な変化が見られた。

 これらの結果は、線維化Aβが一様に睡眠を障害するのではなく、線維化Aβの種類に応じて異なる病態メカニズムで睡眠及び脳活動を変調する可能性を示している。本成果は、アルツハイマー病に伴う睡眠障害の理解に貢献し、今後の病態解明や治療戦略の検討につながると期待される。
 なお、同研究成果は2月25日公開の「Biophysical Chemistry」誌にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/2026/03/a40a42.html