| 2026年03月25日 |
| 広島大、東レなど、薄膜太陽電池のジレンマ解消 |
| 【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:広島大学 |
広島大学、京都大学、理化学研究所、筑波大学、東レリサーチセンターによる共同研究チームは、有機薄膜太陽電池(OPV)のトレードオフであり、高効率化に向けて重要な課題だった「低電圧損失」と「高効率電荷生成」の両立を実証したとこのほど発表した。 研究チームは、広島大学が新規開発したポリマー半導体PTNT1-Fを発電材料に用いることで、従来のOPVに比べて電圧損失を大幅に抑制しながら、同等以上の高い電流を示すOPVの開発に成功した。さらに、各種分光測定、電子顕微鏡観察、量子化学計算を駆使し、PTNT1-F が従来のトレードオフを打破できた起源を明らかにした。 OPVは、軽量かつ柔軟で、塗布プロセスによる製造が可能な次世代太陽電池として注目されている。 一方で、市販されているシリコンなど無機太陽電池や同様の塗布型太陽電池であるペロブスカイト太陽電池と比べると、OPVは電圧損失が大きいという問題がある。この電圧損失を抑制することは、OPVの高効率化に向けた重要な研究テーマとされてきた。 しかし、OPVの発電原理上、電圧損失を抑制して電圧を高めようとすると、電流が減少する傾向がある。このような「電圧」と「電流」のトレードオフをいかに克服するかが、OPVの高効率化に向けた大きな課題だった。 本研究成果を基盤として、今後はポリマー半導体分子構造のさらなる最適化を進めることで、電圧損失を一層抑制しつつ高電流を両立する高効率OPVの実現が期待される。同成果は、低炭素化社会の実現に向けた、環境調和型エネルギー技術の発展に貢献する。 なお同研究成果は3月23日、材料科学分野の国際学術誌「Communications Materials」誌にオンライン掲載された。 |