2026年04月17日
34億年前の海洋に生物的硫黄代謝の痕跡
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東京大学

 東京大学大気海洋研究所の高畑直人助教をはじめ千葉大学、東北大学、名古屋大学からなる研究チームは17日、約34億年前の岩石から地球史初期の生命が硫酸イオンを使って呼吸していた痕跡を見出したと発表した。
 調べたのは、岩石の中にある直径0.01mmより小さい同心円状の黄鉄鉱(FeS2)で、ナノスケール二次イオン質量分析計(NanoSIMS)を用いて、この小さな黄鉄鉱組織の内部における硫黄同位体比の変動を、世界で初めて高精度に分析することに成功した。
 
 さらにその中の有機物の分布や同位体比の特徴を調べると、この黄鉄鉱形成には硫酸で呼吸を行う微生物活動が関わったことが明らかになった。大気に酸素がほとんど存在しなかった当時、海では一般に主要な栄養源である硫酸イオンも極めて乏しかったと考えられてきた。しかし今回の分析結果は、太古代の浅瀬環境の一部では硫酸が比較的に多い場所があり、そこが初期生命にとって「オアシス」になっていた可能性を示した。
 
 今回研究の成果は、太古代の生命がどのような環境で生き、どのような仕組みでエネルギーを得ていたのかを理解する手掛かりになる。さらに今後の地球の生命起源研究や古環境復元研究、地球外生命を探す研究にも役立つと期待される。「地球外生命探査」への応用も期待される。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/04/press20260416-02-sulfur.html