1999年09月09日
欧州で年内にもPO/SM設備が稼動~トータル60万トン/133万トンに
BASELLは9月/レプソルは年末/ライオンデルは2003年
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF、ライオン

 欧州では、99年中に2社のプロピレンオキサイド(PO)/スチレンモノマー(SM)併産設備が稼動する見通しだ。まずBASFとシェルの合弁会社BASELLは、9月中にもオランダのモーダイクでPO年産25万トン/SM55万トンを稼動、さらにスペインのレプソルは99年末完成予定でPO15万トン/SM34万トン設備の建設を進めており、これらが稼動した際には欧州のPO、SM市場は供給過剰になると懸念されている。
 これまで欧州は、シェルがオランダのモーダイクで1979年から稼動させているPO20万トン/SM44万トン設備しかなかった。しかし、今回2つのプロジェクトが完成することで、欧州のPO/SM併産設備の生産能力は、PO60万トン/SM133万トンと欧州のPO、SM生産能力で大きな地位を占めることになる。さらに米ライオンデル・ケミカルが、オランダのロッテルダムでPO28万5千トン/SM63万5千トン設備の建設を計画、機器を発注した後延期しているが、2003年をめどに再度新設備の建設を検討している。
 ただし、これらの併産設備がすべて完成した場合、欧州のPO、SM市場は供給過剰となり、米国の輸出玉が弾き出される可能性が高く、結果的にアジア市場に流れ込んでくることが懸念されている。