1999年09月02日
ABS樹脂の値上げ打ち出し相次ぐ
2日宇部サイコン、他社も追随の構え
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:テクノポリマー

 ナフサ価格急騰の影響が石油化学誘導品各社に及んでいるが、汎用樹脂ではLD(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)などのポリオレフィンに続いて、ABS樹脂各社が値上げに動き出した。
 同樹脂分野では最大手のテクノポリマーがさきに9月21日出荷分からキロ18円の価格修正を打ち出したが、1日には日本エイアンドエルが10月1日納入分から20円、2日には宇部サイコンが9月21日納入分から17円の値上げをそれぞれ発表、電気化学など残りの各社も追随の構えを見せている。
 値上げ幅はそれぞれキロ17円~20円、開始時期は9月下旬から10月初めと差はあるものの、ナフサの高騰をきっかけに主原料であるSM(スチレンモノマー)やAN(アクリロニトリル)価格が上昇し、採算悪化が避けられなくなったという点ではほぼ一致している。
 ABS樹脂市場は、このところ需要堅調なPPやPC(ポリカーボネート)に押され、需要は伸び悩みの傾向にある。このため各社は事業再編や統合を含めて大幅な合理化やコストダウンに取り組んできたが、最近のナフサ高はこれらの努力だけではとても吸収できないほどのコスト圧迫要因になっているという。