1999年08月05日
MEPなど3社、黒崎に新製法でPC2万トン増設
2000年末稼動、グループ16万トン体制構築
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三菱エンジニアリングプラスチックス、三菱化学、三菱ガス化学

 三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)と親会社の三菱ガス化学、三菱化学の3社は、ポリカーボネート(PC)樹脂の新製法を共同で開発、黒崎で同プロセスを採用した年産2万トンの新設備を建設する。稼動は2000年末で、投資額は約50億円。
 今回の計画は、後述する新プロセスを採用して、三菱化学・黒崎事業所内に2000年半ば完成、同年末稼動をめどに年産2万トン設備を建設するもの。設備投資は三菱化学が負担する。さらに近い将来には、三菱ガス化学・鹿島工場内に3万トン以上の規模で大型設備の新設を検討する考え。この結果、MEPグループの生産能力は、2000年末に国内が三菱ガス化学・鹿島(2万5,000トン)、同・大阪(2万5,000トン)、三菱化学・黒崎(2万トン)と今回の新設備の合計で9万トンとなり、韓国の三養化成(4万トン、うち三菱化学引き取り分は2万トン)、タイ・ポリカーボネート(5万トン)を加えると16万トン体制を構築する。
  新製法は、PC樹脂の中間原料であるジフェニルカーボネート(DPC)を独自の新技術で製造、DPCとビスフェノールA(BPA)を三菱ガス化学、三菱化学両社で共同開発した技術で溶融重合することによりPC樹脂を製造するもの。これらのプロセスを採用することにより、従来溶媒に用いられていた塩化メチレンを使用せずにPC樹脂の製造が可能となるため、環境面の問題にも対応するほか、コスト面でも優位性がある。