2000年07月26日
ダイセル化学、ソルビン酸で米司法省との司法取引成立
独禁法違反容疑、係争長期化を考慮
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ダイセル化学、日本合成化学

 ダイセル化学工業は26日、米国司法当局からソルビン酸およびソルビン酸カリの販売で談合容疑をかけられ調査を受けていた問題について、司法取引が成立、罰金5,300万ドル(約57億円)を支払うことで合意した、と発表した。
 この問題は、1998年3月、米国で食品に使用されるソルビン酸およびソルビン酸カリのメーカー数社が談合していた疑いがあるとして、同国司法当局から調査を受けていたもので、その後も審査が続けられていた。
 ダイセル化学は一貫して違反事実を否定、一方では調査にも全面的に協力してきたが、理解を得るには至っておらず、結論も出されていない。しかし係争が長期化すれば、時間的、費用的にも負担が増し、事業活動への影響も生じかねないと判断、不本意ではあるものの、司法取引による解決の道を選んだという。
 今回の問題では、他にも同業数社が容疑を受けていたが、独ヘキスト、米イーストマンケミカル、日本合成化学の3社はすでに司法取引による罰金支払に応じている。
 なお、同社は今回支払う罰金については、今期中間決算で特別損失として一括計上するが、保有資産の売却によりこれに見合う特別利益をあわせて計上する方針。