2000年07月21日
スチレンの2量体・3量体はリスク算定の必要なし
環境庁のエンドクリン検討会が結論、67リストから実質除外
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:なし

 環境庁の諮問機関の一つである「内分泌攪乱化学物質問題検討会」は21日に開いた平成12年度第1回会合で、平成12年度において優先してリスク評価に取り組むべき化学物質について検討した結果、「スチレンの2量体・3量体のリスクを算定することは技術的に見て現実的でなく、またその必要性もない」との結論をまとめた。
 これは、“今後、文献調査やインビトロ試験などで有害性の有無をチェック(リスク評価)すべき物資の対象からスチレンのダイマーやトリマーを除外してもよい”との判定を下したもの。環境庁が今年4月に発足させた「内分泌攪乱作用が疑われる物質のリスク評価検討会」の4回にわたる会合における詳細な検討結果も尊重して結論した。
 その根拠については、(1)信頼できる文献を調査した結果(2)エストロジェン様作用をエンドポイントとする試験管内試験を実施した結果--の二点を挙げている。前者に関しては、[1]アンドロジェン様作用、甲状腺ホルモン様作用について否定的な報告しかないこと[2]プロラクチン関連作用についても否定的な試験結果しか得られていないこと[3]エストロジェン様作用についても、エストロジェン受容体との結合および幼若雌ラットの子宮重量の増加に関しては否定的な報告しかないこと--3点を理由に挙げている。 また、ヒト乳ガン細胞の増加を認めたとの報告も一部にあるため念のため実施した後者については、[1]E-SCREEN法の結果、大山氏らの試験結果の間に食い違いが見られたこと[2]セプターバインディング法では、高い親和性でレセプターとの結合性があると判定されるものはなかったこと--の二点を明示している。
 スチレンのオリゴマーの健康影響については、すでに厚生省や通産省、さらには環境庁の専門家による検討会がいずれも問題ないとの見解を表明している。加えて今回こうした結論が下されたことは、環境庁による「67物質」からスチレンダイマー、トリマーを実質上外すことを環境庁が容認したことを意味していると言える。