2000年07月05日
住友化学、メタノール値上げ検討へ
国際市況の騰勢続く、輸入価格トン200ドル台へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学工業はメタノールの国際市況が騰勢を強めているところから、国内価格の引き上げは避けられないとし、近く時期や値上げ幅などの検討に入る。
 米国のメタノール市況は、6月価格としてFOBトン190ドルが決定したばかりだが、最大手のメタネックスなどサプライヤー側は原料天然ガス価格の高止まりを理由に7月も5セント/ガロン(トン当たり約17ドル)の再値上げを打ち出している。トリニダードトバコの新プラントの建ち上がりが遅れているのをはじめ、BPスターリングが原料高による採算悪化を理由に、7月以降約半年間プラントを停止するとアナウンスなど需給もタイト状態が続きそうな気配だ。
 一方欧州市況も2Qまでコントラクト価格がトン当たり142ユーロと、比較的落着いていたが、3Qには210ユーロに引き上げられ、ほぼ米国並みの相場となった。需給環境からみれば、フランス・アスペックス社の酢酸プラントのトラブルなど、若干緩む気配はあったが、その後このトラブルは解消しており、タイト感は消えていない。こうしたことから欧米とも3Qは200ドル強の価格で推移するとの見方が有力となっている。
 日本のメタノール輸入価格は欧米とのスライド方式をとっているため、8月初めには200ドル台の水準に達することは確実な情勢となっている。