2000年06月29日
PVC価格軟化で、EDC価格も中東メーカーが値下げオファー
VCMへの下げ圧力も強まる、米国EDCメーカーは価格堅持の動き
【カテゴリー】:海外
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 PVC(塩ビ樹脂)の7月の中国向け価格が6月比20ドルダウンのCFR・トン680ドルで決着したことで、VCM(塩ビモノマー)、EDC(二塩化エチレン)のアジア価格についても下げ圧力が強まっている。
 VCMの6月の中国向け価格は600ドルで決着しているが、中国、タイなどのユーザーを中心に550ドル以下への引き下げを求める動きが強まっている。こうしたユーザーでは、過去のPVCとVCMの価格スプレッドの平均は200ドル前後であり、最低でも150ドルは確保しないと採算的に厳しいとしている。
 一方、450ドル前後と高値での推移が続いているEDC価格についても、アジア各国のVCMメーカーを中心に中東、米国などの主要サプライヤーへの値下げ交渉が本格化している。こうした中、先週には一部の中東メーカーが390ドルでのオファーを出し始めており、ここへきてようやく下降傾向が出始めている。
 日本のVCMメーカー筋では、米国EDCメーカーはペアトンでの採算悪化から、価格を堅持する意向が強いものの、中東品の軟化によって引き下げもやむを得ないとの声も出始めている。なお、米国での現在のEDC価格はFOB・ポンド17~18セント(370~400ドル)となっている。