2000年06月15日
生分解性プラ研究会、明日からグリーンプラ識別表示制度スタート
シンボルマークを発表/ポジティブリストをネット上で公開
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三井化学、生分解性プラスチック研究会

 生分解性プラスチック研究会(BPS)は、生分解性プラスチック(愛称:グリーンプラ)の識別表示制度の運用を明日からスタートさせる。これにともない15日、グリーンプラのシンボルマークを発表した。
 BPSは、通産省基礎産業局長の諮問機関であった生分解性プラスチック実用化委員会の提言に基づき、4年前から一般プラスチック製品との識別のための基準作りに取り組んできた。1998年度には骨格案、1999年度にはBPSによる運営を前提とした制度案を作成しており、本日開催の総会で承認された。
 グリーンプラは、使用中には通常のプラスチックと同様に使うことができ、使用後は自然界に存在する微生物により体内に取り込まれ養分となり、最後は水と二酸化炭素に分解される。また、コンポスト施設(堆肥化施設)で家庭生ゴミや農産物残骸・畜産排泄物などの有機性廃棄物といっしょに微生物分解を受け、コンポストとして土壌改良材となるバイオリサイクル資材であり、現在のプラスチック廃棄物問題の切り札として期待されている。
 しかし、グリーンプラの内需は1999年度で2,500トン強と推算されており、1,400万トンと見られるプラスチックの総需要のわずか0.018%にとどまっている。このためBPSは、グリーンプラが資源循環型社会の基盤的な補完資材であるとの認識のもと、普及を促進してきた。さらに今回、識別基準を明確にしてグリーンプラ製品が環境負荷の低いプラスチック製品であるという認識を広め、利用促進を図るために、識別表示制度を発足することにした。
 グリーンプラ識別表示制度は、重金属類を基本的に含まず、生分解性と安全性が一定水準以上にあることが確認された材料のみで構成されるプラスチック製品をグリーンプラ製品と認定、製品にシンボルマークをつけて判断を容易にする制度で、生分解性と安全性を確認した材料についてを、あらかじめポジティブリストとして公開する。グリーンプラを使う樹脂加工メーカーは、添加剤や色材などに製品の成形に使うことのできる材料について、ポジティブリストを見ることで事前に確認することができる。またポジティブリストに記載されていない有機化合物を使用したい場合には、その化合物の性分解性、安全性を確認することのできる分析証明書を添えてポジティブリスト物質として追加申請する仕組み。このためBPS内には、識別表示委員会が設置される。なおポジティブリストについては、運用がスタートする明日からhttp://www.bpsweb.net/ target=_blank>BPSのホームページ上で運用状況を含め公開される。
 また本日、一般公募していたグリーンプラのシンボルマークについて、選考結果を報告した。第一席を受賞したのは、埼玉県蕨市の助口聡さんで、表彰の後、この受賞作をもとに作成されたシンボルマークが発表された。BPSの中西宏幸会長(三井化学社長)は、「資源循環型社会の構築に向けて、グリーンプラが普及し、理解していただけるよう努力して行きたい」と語った。

<参考>グリーンプラのシンボルマーク
http://c-nt.co.jp/news/greenpla.jpg>