2000年05月25日
三浦トクヤマ社長会見「新たな成長目指す」
事業構造改革徹底、コスト競争力さらに強化
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:シャノン、新第一塩ビ、トクヤマ

 トクヤマの三浦勇一社長は24日記者会見し、今3月期業績を中心に、昨年4月スタートした中期経営3か年計画の進捗状況や今後の戦略、見通しなどを明らかにした。
 この中で同社長は「99年は、なお厳しい経営環境が続くと見ていたが、結果的には連結ベース増収増益となった。その以前から思い切って取り組んできた構造改革が収益改善につながった」「2001年度は中期計画仕上げの年になる。“構造改革を通じて新たな成長を目指す”という目標達成に全力をあげたい」など、要旨次の通り語った。

1)今3月期決算は連結ベースで増収増益、単体でも経常段階でマイナスとなったが、売上高、当期利益は増えた。予算段階ではセメント、塩ビ、多結晶シリコンなどいずれも環境が厳しく景気低迷の中、大きなマイナスになるのではないかと心配された。しかし、それぞれの部門で構造改革をやり、一方、売り上げも伸びてどうやら満足できる決算が計上できた。

2)事業構造改革では、これまでにGC(セラミック会社)、MTT(エピクロ会社)、千葉電解、袖ヶ浦ケミカル、プリント基板などの会社、事業からの撤退を完了した。また、サン・アロー化学を吸収、新第一塩ビの経営主体(71%)を確立した。一方、加工型事業(フィルム・シャノン)を分社化し、自立させた。セメント部門も生コンの集約化、販売店の再編などに成果をあげている。 

3)当社としては2001年度に仕上げる中期経営計画をどう達成するかが当面最大の課題だ。「構造改革を通じて新たな成長を目指す」「グループ経営と環境経営」の2つを柱に全力で取り組んでいる。
 その一方で、「コア事業への集中と成長戦略」つまり、コスト競争力を強化し、アライアンスによるシェア拡大に力を入れる。
 事業部門は大きく分けて化学品(47%)、セメント・建材(29%)、特殊品(24%)の3つだが、それぞれに基盤を強め、赤字部門を出さないことが大事だ。成長戦略を進めるに当たっても、やるべきことをやっているか、数値目標は達成できたか、上積みできるか、絶えず意識し、反省しながらやっていきたい。

4)製造所の競争力強化も成長戦略に欠かせない。「オープンインテグレーション」と「環境経営」の2つを柱に拡充、強化していく方針だ。徳山製造所は石油化学コンビナートを形成しながらなお、50万キロワットの大型発電設備を軸に電解ソーダ、VCM、セメントなどの“異業種”事業を展開している。廃棄物はマテリアルや燃料として有効にリサイクル利用している。工場では素材型の製品から高機能商品まで幅広い製品を生産しているが、むだのない運営ができるよう戦略的にインテグレーションをやり、活性化につなげていきたい。
 これまでのところ、どの部門も非常によく健闘してくれている。これが今期の決算にも表われたといえると思う。