2000年05月16日
VCM中国向け輸出価格、6月はステイの公算に
中国のファンダメンタル強く、需要減少は一時的調整局面
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:ヴイテック、東ソー

 アジアのVCM(塩ビモノマー)需要は、4月のピークとして中国を中心に調整局面となっているが、連休明け以降引き合いが回復してきており、6月以降の輸出価格の急激な下降は考えにくいとの公算が強まっている。
 VCMのアジア市況は、中国向けが4月にはCFR・トン660ドルに上昇していたが、PVC(塩ビ樹脂)価格の軟化もあって5月は620ドルで最終的に決着している。
 PVC価格も4月初めの800ドル強をピークとして、現在は760ドル水準となっており、日本メーカーでは、6月価格をステイでアナウンスを開始している。
 一方、原料ではEDC(二塩化エチレン)価格が現在もCIF着ベースで440ドルと依然として高値となっており、原油・ナフサなども下げ止まり状態であることから、VCM価格の現在水準からの下げは考えにくいとされている。
 また供給面では、東ソーが、南陽事業所のVCMプラントのうち、新系列年産55万トン設備を約1ヶ月間の予定で今月10日から定修を実施。国内では既に京葉モノマーが定修入りしたほか、今月中旬にヴイテック・水島、6月から鹿島塩ビモノマーと相次いで大型定修が予定されている。
 業界筋では、中国需要のファンダメンタルは強く、連休明け以降は引き合いも回復してきており、需要減少は一時的な微調整局面として、6月価格は最低でもステイとなる公算が強いとしている。