2000年04月11日
出光ユニテック、ヒートシール可能な積層不織布を上市
一般の自動充填包装機にも使用できるヒートシール性
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:出光ユニテック

 出光石油化学の100%出資会社の出光ユニテックは11日、ヒートシール可能な積層不織布「ストラマイティRMN(商品名)」を上市する、と発表した。
 従来のスパンボンド不織布は、不織布同士をシールする場合、超音波シールまたは熱溶断シールで対応しており、一般の自動充填包装機は使用できなかった。しかし、この製品は、不織布の持つ通気性を損なうことなく包装用フィルムと同様に一般の自動充填包装機にも使用できるヒートシール性を有しており、粉体包装等の分野を中心に販売していく予定。
 同社では、1999年度下期に商品開発とあわせ市場調査し、今般正式上市することになったが、すでに具体的テーマとして約50社から引き合いがあり、うち10数社については採用が内定しているとしている。2000年度販売目標は、売上高10億円を見込んでいる。
 今回上市するグレードは、(1)ソフトタイプ:エンボス加工により、「柔らかさ」と「ソフト感」を実現。(2)フラットタイプ:シート状に積層された繊維を圧着することにより、「腰」がある「ペーパーライク」な風合いを実現。(3)微粉末対応タイプ:マイクロファイバー不織布を積層することにより、微粉末の漏れ防止を実現する。
 製品の特長としては、(1)良好なヒートシール性としては、ベースとなる不織布が多層フィルムに用いられているシーラント層と同様なLLDPE樹脂を使用しており、これとさらに融点の高いPET不織布が積層されているので、フィルムと同様に自動製袋充填機による高速ヒートシールが可能となる。(2)微粉末対応性として、微粉末対応タイプは、従来の一般的な不織布では対応できなかった数10ミクロンの微粉末の漏れを防止できる。(3)ほつれ・毛羽立ちの低減では、スパンボンド不織布は連続長繊維であるため、カット面からのほつれがなく、毛羽立ちによる繊維の脱落の低減も実現する。(4)耐薬品性、安全性では、LLDPE樹脂を使用しているので、酸・アルカリ等の耐薬品性も高く、原料のLLDPEとPETは食品包材に拘わる規格に合致している。(5)環境対応性として、LLDPEなどのポリオレフィン樹脂を原料としているため、焼却時に有毒ガスの発生がない。また焼却残さ(焼却灰等)が少ないことも特長。
 用途としては、(1)良好なヒートシール性を活かして乾燥剤、高分子吸収剤、芳香剤など粉体・粒体の自動充填包装用(2)微粉末漏れ防止性を活かして炭、活性炭等を使用した吸湿・吸着剤の個包装やシート素材、パソコン等の精密電子機器に内装されている乾燥剤(微粉末)の包装などが考えられるとしている。