2000年04月03日
住友化学、住友製薬と共同でゲノム創薬研究を推進
住友製薬にゲノム科学研究グループを設置
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:住友化学、住友製薬

 住友化学工業と住友製薬は3日、ゲノム創薬研究を強化して先進的な医薬品開発を共同で推進するため、同日付で住友製薬の研究開発本部総合研究センターに新たにゲノム科学研究グループを設置する、と発表した。同グループは、住友製薬の研究員に住友化学からの研究員を加え、両社で合意した研究方針のもとゲノム創薬研究を進めていく。
 現在、ゲノム情報に基づく医薬品の研究開発が世界的に急速なスピードで進められている。遺伝子配列などの大量の情報処理、DNAチップなどを用いた遺伝子の発現と機能解析、2次元電気泳動と質量分析器器などを用いたたんぱく質の発現と機能の解析など、いわゆるゲノム創薬研究は、医薬品の研究、開発、安全性評価、市販後臨床などの観点から、製薬企業にとって必須のものとなっている。こうしたことから住友化学、住友製薬は、従来それぞれが進めてきたゲノム創薬関連研究を集約、相互に補完することにより、医薬品の研究開発をさらに推進していくことにした。
 ゲノム化学研究グループでは、バイオインフォマティクス、ゲノミクスおよびプロテオミクスの各分野における基盤技術の確立、新規技術の導入・開発を行い、さらに両社の研究所や他の研究グループと協力し、新薬の作用機序解明・特徴づけ、新薬の効力・副作用の予測および新規創薬ターゲット遺伝子(たんぱく質)の探索・機能解析などの研究を実施し、先進的な研究開発を目指す考え。
 両社は、昨年から研究組織の再編成を進めており、昨年8月、10月には、安全性研究、合成法・製造法研究をこれら分野を得意とする住友化学に集約している。住友化学は、医薬品事業をグループの重要事業の一つに位置付けており、両社間での協力体制を緊密に保ちつつ、今後も同事業の発展に努力していく方針。