| 2000年04月03日 |
| 住友化学、子会社のLCDカラーフィルター事業を再構築 |
| 5月1日付で台湾企業との合弁新会社に営業譲渡 |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:住友化学 |
住友化学工業は3日、子会社の「エスティーアイ テクノロジー株式会社」(現STI社)が手がけているLCD(液晶表示装置)用顔料分散法カラーフィルター事業について再構築を行う、と発表した。具体的には、現STI社が5月1日付で、「新エスティーアイ テクノロジー株式会社」へ営業譲渡し、新会社が事業を継続する。 現STI社には、住友化学が55%、伊藤忠グループが30%、東洋紙業が15%出資している。今回新たに住友化学40%、台湾のCANDO(剣度股分有限公司)50%、TECO(東元電機股分有限公司)10%出資により、新エスティーアイ テクノロジーを設立、現STI社の事業を営業譲渡する。住友化学によると、再構築により運営会社は変わるものの、同事業に対する取り組み姿勢は変わらずに新会社が事業を継続、住友化学も引き続き支援していく方針。同事業を取り巻く環境は、競争の激化や販売価格の下落など、引き続き厳しい見通しが予想されるが、新会社はIT革命などにともなうLCDやその機関材料の成長に対応、出資3社の一致協力体制のもと早期の事業基盤確立を目指す。 なお住友化学は、3月31日開催の取締役会において、現STI社に対する債権放棄予約を行うことを決議し、同社に対する債権および今後履行する保証債務の求償債権(2000年2月29日現在193億円)のうち、回収不能見込額(約133億円)を債権放棄する予定。住友化学の業績への影響について、まず単独では1999年3月期において現STI社の株式について備忘価額まで評価減(49億4,900万円)を実施するとともに、12億9,500万円の貸倒引当金を設定済みのため、2000年2月期において特別損失(関連事業損失)として約120億円を計上する。またこの損失については、有価証券売却益の計上で補填する予定のため、1999年10月29日に公表した2000年3月期の業績予想の修正はない。また連結については、譲渡損失153億円のうち、住友化学持分の55%相当額84億円の損失を計上するが、有価証券売却益を計上するため、1999年3月期連結業績予想は修正しない。また2000年3月期についても、債権放棄による損失は内部取引として消去されるため影響はないという。 ※新会社に出資する台湾企業2社の社名について、実際には股分有限公司の分にはにんべんが付きます。 |