2000年03月30日
出光テクノファイン、絹微粉末製造技術で通産省環境立地局長賞受賞
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:出光テクノファイン

 出光テクノファインは30日、自社で開発した絹微粉末(プロテインパウダー)技術が、絹廃棄物の有効利用および絹織物産業の振興に寄与すると評価され、このほど財団法人クリーン・ジャパン・センター主催の平成11年度「資源循環技術・システム表彰」において、「通商産業省環境立地局長賞」を受賞した、と発表した。
 日本の伝統的な産業の一つである絹織物産業は、産業振興策の一環として、絹繊維を使用した新たな産業の探索はから屑や撚糸工程ロス材等の絹廃棄物の有効利用への取組みを行っているが、食品や化粧品の添加剤としての利用にとどまっていたため使用量が少なく、新たな展開が望まれていた。
 同社は、代表的な絹織物物産地である丹後地区で算出される絹廃棄物に着目、従来困難とされていた物理的微粉化システムにより化学変化のない平均粒径5マイクロメートルの絹微粉末を製造する技術を確立、プラスチックと天然物質との複合化事業(プロテインプラスチックス事業)を展開している。
 今回の受賞は、単純な用途に限られていた絹廃棄物を、原料の特質を損なわない物理的微粉砕技術の開発により、高付加価値製品にリサイクルし事業展開していること、また絹織物産業の振興策の一つとして寄与していることが高く評価されたもの。
 財団法人クリーン・ジャパン・センターは、通産省、日本商工会議所、経済団体連合会などをはじめとした官民一体支援のもと、昭和50年(1975年)に設立されたリサイクル推進のナショナルセンター。廃棄物の処理および再資源化、「リサイクル社会の構築」を推進するための先導的な事業展開を目的に活動している。また「資源循環技術・システム表彰」は、企業などが実施しているリサイクル技術・リサイクル品の開発事業または製品アセスメントの実施など先導的なリサイクル事業について公募により優れたものを発掘、顕彰する制度で、20年以上にわたり実施されている。
 なお出光テクノファインは、今月21日に出光石油化学のプロテインプラスチックス事業とバイオケミカル事業を統合して設立されたばかり。1999年度の事業規模は30億円を見込んでいる。