2000年03月14日
呉羽化学、三共と変形性間接症治療薬についてオプション契約締結
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:クレハ、三共

 呉羽化学工業は14日、三共との間で呉羽化学が開発中の変形性間接症治療薬(CPA-926)について、将来の全世界における独占的実施権を三共が予約することで合意し、オプション契約を締結した、と発表した。
 CPA-926は、呉羽化学で合成された軟骨破壊防止の新規作用機序を有した変形性間接症治療薬で、これまでに同社が欧州で第一相試験および初期第二相試験の一部を進め、すでに安全性や幹部への薬物移行性などが確認されている。今回の契約では、呉羽化学がさらに薬効確認のための第二相試験を進めていくにあたって、三共がCPA-926の将来の独占的実施権を呉羽化学に対し予約するもの。独占的実施権には、全世界における開発、販売などの権利が含まれる。
 変形性間接症は加齢とともに関節の破壊が進み、間接機能が損なわれる疾患で、膝、股関節に多発、高齢者に多く見られる。高齢化社会を反映して患者数も多く、日本で約800万人、欧米で3,200万人規模の患者がいると推定されている。現在、この疾患の治療薬として非ステロイド系の消炎・鎮痛剤などが用いられているが、これは症状改善を目的とした対症療法にとどまっている。CPA-926は、変形性間接症に関する画期的原因療法剤を目指すものであり、薬効が今後の臨床試験で確認されれば、大型品目になると期待されている。