2000年02月18日
帝人バイエルポリテック、高密度光ディスク用ポリカーボネートを開発
BPAを使わない製法/5年後に年間5,000トンの販売目指す
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:帝人、帝人化成、バイエル

 帝人化成とバイエルの折半出資会社で次世代光学用途向けPC(ポリカーボネート)の研究開発を手がける帝人バイエルポリテックは17日、高密度光ディスク用途に適した新タイプのPC(ポリカーボネート)を開発した、と発表した。 この新規PCは、原料にBPA(ビスフェノールA)を使わない全く新しい構造のPCで、5年後には年間5,000トンの販売を目指す。
 現在、データ記録媒体として広く用いられているCD(CD-R/RW)、DVD、MO、MD等の光ディスクは、世界的に年率10数%の伸びを示しており、基板材料であるPCの需要拡大に大きく貢献している。います。これまではビスフェノールAタイプのPCが使われており、親会社である帝人化成とバイエルは同分野で世界の1位と2位のトップメーカー。しかし、データ記録媒体の高密度化競争の激化にともない、より高密度なMOや書換型DVD等の媒体に対応できる基板材料の開発が求められている。。
 今回同社が開発した新規PC「ST-3000」は、こううした高密度記録用の光ディスクに適した画期的な製品と位置付けている。特徴は、 (1) PCの一種だが、化学構造は従来のPCと異なり、低複屈折率(複屈折率を50%低減) 、低吸水率(吸水率を25低減)、高剛性(高速回転時の変形防止に効果)などの優れた特徴を有している。(2) 従来のPCを用いたCD、DVD、MO用の成形設備を、設定条件をほとんど変更することなくそのまま使用できる、など。主な用途としては、高密度データ記録用の基板材料や、ピックアップレンズ、その他レンズなど各種光学部品を見込んでいる。
 このほど帝人化成・松山工場に設置したパイロットプラントで生産を開始、サンプル出荷を開始した。また既存設備での生産も可能と見られており、今後は帝人化成とバイエルの両社が生産、帝人バイエルポリテックが販売していく方針で、5年後には年間5,000トンの販売を見込んでいる。

帝人バイエルポリテック株式会社が開発した高密度記録光ディスク用の次世代ポリカーボネート
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