2000年02月07日
ABS樹脂、早ければ春先にも2次値上げへ
原材料高騰背景に~依然不採算続く
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:テクノポリマー

 ABS樹脂は、昨年9~10月にかけて各社が打ち出した値上げが今年1月までにほぼ決着、浸透しているが、年初から原料価格が高騰していることから、早ければ今月末から3月初めにも2次値上げを検討する機運が高まっている。同業界は多くのメーカーが不採算に喘いでおり、2次値上げの実現で改善を期待したいところだ。
 ABS樹脂の国内1次値上げは、最大手のテクノポリマーが昨年9月下旬にキログラム当たり18円、10月1日には日本エイアンドエル(NAL)が20円、宇部サイコンも17円の値上げを打ち出し、各社17~20円の値上げが出揃った。各社とも昨年末までにほぼ8割方の交渉を完了、今年1月以降15~20円弱の値上げが浸透している。
 しかし、原料SM(スチレンモノマー)は年初以降、急速に値を上げておりすでにアジア市況はトン当たり1,000ドルを突破している。また1次値上げでは弱電分野の値上げが完全に実施できたとは言えず、各社とも依然採算的には厳しい状況が続いている。
 こうしたことから早ければ2月末~3月初めには2次値上げを実施したいという声が強まっているもので、不採算の早期改善を目指した各社の動向が注目される。