2000年02月03日
東ソー、三井化学、電気化学、大洋塩ビを新体制で再構築
VCMコスト競争力のもと、東ソー主導の運営形態に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:新第一塩ビ、住友化学、大洋塩ビ、電気化学工業、東ソー、トクヤマ、日本ゼオン、三井化学

 東ソー、三井化学、電気化学工業は3日、1996年に設立した大洋塩ビを発展的に解散、清算し、4月1日から東ソー主導の新体制で営業を開始する、と発表した。新社名は引き続き大洋塩ビを継承する。
 新体制は資本金60億円、出資比率は東ソー68%、三井化学16%、電気化学工業16%となり、社長は日野清司・現社長(東ソー専務)、従業員は現在の60名から製造約100名、品質保証の約30名が加わり約190名となる。
 3社では、大洋塩ビから生産委託を受けている製造設備(四日市、大阪、千葉)を3月31日をもって同社に譲渡し、研究所を四日市に集約、技術サービスに関しては従来どおり3拠点で行う。なお設備の譲渡金額は資本金の範囲内になるとしている。
 大洋塩ビはPVC(塩ビ樹脂)事業の国際競争力の強化と事業の拡大を図るため製造、物流などの面で合理化を推進、目標どおり3年目で年間約30億円の合理化を達成している。しかし、塩ビ事業を取り巻く環境が国内景気の低迷、アジアの経済混乱などにより悪化、同社の業績は改善されてはいるものの、累積損失は1999年3月末で147億円に至っている。
 同社は四日市に年産31万トン、大阪21万トン、千葉9万トンと合計61万トンのPVC生産能力を有しており、原料のVCM(塩ビモノマー)は今年1月から全量が東ソーから供給されている。
 今回、親会社3社が大洋塩ビの製造・販売・研究を完全に一体化し、東ソーのVCMのコスト競争力を最大限活かし得る新体制の構築が必要と判断し、合意に至ったとしている。
 塩ビ業界ではトクヤマ、日本ゼオン、住友化学の合弁による新第一塩ビも、電解からの強みを活かすためトクヤマ主導の新体制を4月から発足させることにしており、厳しい事業環境が続く中で、原料からのコスト競争力がいかにPVCの競争力強化に結びつくか注目されている。