2000年02月02日
住友化学系の田岡化学と三建化工が10月1日に合併
医農薬中間体受託生産事業を強化
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学関係会社の田岡化学工業は、1日、今年10月1日をめどに三建化工と合併する、と発表した。1月25日開催の取締役会で決定したもので、このほど合併覚書を締結した。存続会社は田岡化学で、合併比率は田岡化学1:三建化工1.20。今回の合併により、競争が激化している医農薬中間体の受託生産事業を強化する。
 両社は住友化学工業の関係会社で、住友化学は田岡化学に49.85%、三建化工に53.20%出資しており、ともに住友化学の精密化学部門の一翼を担う存在。田岡化学は染料、工業薬品、添加剤、接着材、写真薬中間物、三建化工は可塑剤、特殊樹脂、ワニスなどをてがけているが、両社とも今後農薬・医薬中間物の受託生産事業を拡大させ、経営の柱とすることを目指している。ただし、同事業は世界を単一マーケットとした受託競争が激化しており、勝ち抜いていくためには優れた技術の確立とコスト競争力の向上が重要となっていた。
 このため技術、設備、人材などを統合、これらの経営資源を効率的に活用することで技術およびコスト競争力を一段と強化することが最善であると判断した。具体的には、技術面では両社がそれぞれ有していた技術を相互補完することで、質的レベルを高め、設備面でも両社の多目的製造設備を効率的に運営することで競争力のある生産体制が整うことになる。このほか管理・補助業務、販売業務なの合理化促進と、三建化工の可塑剤、特殊樹脂、ワニスなどの事業分野が加わることで、経営基盤が強化されるとしている。
 今後のスケジュールは、3~4月に合併契約書承認取締役会の開催および契約書調印、6月29日に合併承認決議株主総会の開催を予定しており、10月1日の合併後、上旬の間に合併登記を行うことになっている。
 なお合併比率は田岡化学1:三建化工1.20で、三建化工の株式(額面50円)1に対し、田岡化学の株式(同)1.20株を割り当てる。合併により発行する株式数は144万株で、合併交付金は未定となっている。また合併後の新生田岡化学の概要は下記の通り。

本店所在地:大阪市淀川区西三国4-2-11
代表者:取締役社長 伊達梅吉
資本金:15億7,200万円
(1999年9月30日現在の資本金15億円に、合併により増加を予定している資本金7,200万円を加えたもの)
総資産:196億1,400万円
(1999年9月30日現在の総資産119億200万円に、合併により増加を予定している総資産77億1,200万円を加えたもの)
決算期:3月31日

合併後の業績見通し(単位百万円、カッコ内の数字は合併による影響額)
        2001年3月期      2002年3月期
売上高   14,600(3,800) 18,700(7,700)
経常利益     650(   50)  1,000(  300)
当期純利益    250(   10)    450(  150)