2000年01月28日
三菱化学、4月から旭化成にVCM年間7万トン供給で正式合意
鹿島塩ビモノマーからのVCM引取りも停止へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:旭化成、新第一塩ビ、チッソ、東亞合成、三菱化学

 三菱化学は、水島の山陽モノマーが3月末でVCM(塩化ビニルモノマー)年産23万トンプラントを休止するのに伴い、4月から旭化成工業に年間7万トン強のVCMを供給することで正式合意した。旭化成ではチッソのPVC(塩化ビニル樹脂)向けに供給を行うほか、自社の塩化ビニリデン向け原料を確保することになる。
 水島地区では、新第一塩ビがPVC12万トン設備を3月末で休止することにより、山陽モノマーもVCMの生産を休止、供給を受けていたチッソの原料確保が求められていた。旭化成では当初から供給責任の立場から三菱化学に供給を依頼、配管など関連設備の建設を進めていたもので、4月からの新たな供給体制が整ったことになる。
 三菱化学は水島事業所に年産30万トンのVCM設備を持つが、PVCについては塩ビ事業の再構築から、昨年3月末に同事業所の1系列6万トン設備を休止、1997年秋に新設した10万トン設備および四日市事業所の12万7,000トン(ペースト2万5,000トンを含む・3月末に8,000トン休止)と合計で22万7,000トン能力となっていた。
 VCMは鹿島塩ビモノマー(60万トン・同社25%)からも出資比率見合いの引き取りを行っており、今年度はスワップなどによりVCM輸出を増量させ、全体の玉バランスをとってきている。さらに現在、鹿島塩ビモノマーからの引き取り枠についても、関係各社との間で話し合いを進めており、来年度からは引き取り枠を信越化学および鐘淵化学に委譲することで大詰めの協議を進めている。
 こうしたことから4月からは、旭化成への供給、鹿島塩ビモノマーからの引き取り停止により生産と国内供給先とのバランスが取れることになり、VCM輸出は減量することになるとしている。また、4月からは東亞合成と塩ビ事業を統合することもあり、PVC、VCM供給の再構築を続けていくことになると見られている。