2000年01月20日
住友化学、2000年のPP需要を273万3,000トンと予想
内需は3%増/昨年大幅増の輸入はほぼ横ばい
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:住友化学、エクソンモービル

 住友化学工業は19日、ポリプロピレン(PP)の2000年需要イメージを明らかにした。これによると国産品需要合計は2%増の273万3,000トンと予想している。
 PPの1998年実績、1999年実績予想、および2000年予想はhttp://www.c-nt.co.jp/news/2000PP.html">表記の通り。1999年は、内需262万3,000トンのうち国産品が前年比1%増の230万8,000トン(上期114万2,000トン/下期116万6,000トンとほぼ昨年予想した通りであったのに対し、横ばいを予想していた輸入はレジンが65%増の22万トン(上期12万8,000トン/下期9万2,000トン)、製品も27%増の9万5,000トン(上期4万5,000トン/下期5万トンと大幅に増加した。4月以降ホモポリマーを中心に大量の輸入品が入ったため、上期生産は前年横ばいとなったものの、下期に輸入が沈静化すると、景気回復と自動車分野の一部需要増もあって生産は3%増加した。
 内需を主要分野別に上期・下期で見ると、約8割を占める自動車向けのほか家電などの用途がある工業材料は、上期が前年同期比4%増の31万9,000トン、下期が5%増の33万1,000トン、雑貨は上期が27万1,000トンと横ばい、下期は27万6,000トンと4%増加した。塩ビやポリスチレンなど他樹脂からのシフトがあった反面、輸入品に置き換わった部分もある。またフィルムは上期が横ばいの24万4,000トン、下期は24万9,000トンと1%増加した。包材全体の需要は伸びているものの、汎用分野は輸入品に食われた結果となっている。また下期は11~12月にレトルト食品用グレードなどで、Y2Kに備え買いだめする動きがあったと見られる。なお輸出は上期18万8,000トン、下期も18万7,000トンとともに111%増加し好調だった。
 対する2000年の予想は、内需全体で3%増の269万4,000トンを見込んでおり、このうち国産品は3%増の237万3,000トン(上期118万1,000トン/119万2,000トン)を予想している。また輸入はレジンが横ばいの22万1,000トン(上期12万トン/下期10万1,000トン)、製品は5%増の10万トン(上期5万トン/下期5万トン)、輸出は4%減の36万トン(上期18万トン/下期18万トン)を見込む。輸入は前年よりさらに増えるとの見方もあるもの、韓国、台湾などが特恵関税対象から外れること、またカスタマーグレードの多いCPPフィルムやコンパウンド品の輸入が急激に増えるとは考えにくいことなどから控えめな数字となっている。ただし傾向としてはホモポリマーの輸入が減り、ブロックコポリマーが増えることになりそうだ。
 主要分野別の内需予想について、工業材料は自動車業界の動向に左右される面が大きいものの、上期は3%増の33万2,000トン、下期も34万トンと3%増加する見通し。雑貨は、塩ビをはじめとした他樹脂からの代替が食品ケース類などニッチな用途で進み、上期が5%増の28万4,000トン、下期は2%増の28万1,000トンが見込まれる。またフィルムはCPPや特殊シーラントなどの輸入はあまり増えないと見る一方、ポリエチレン代替あるいは薄肉化ニーズの高まりなどを考慮し、上期は2%増の25万トン、下期は1%増の28万1,000トンを予想している。
 なおアジア市場に影響を与える新増設計画については、昨年稼働したインド・リライアンス(年産20万トン)、マレーシア・タイタン(同)、中国(20万トン)などが通期で効いてくるものの、2000年は台湾・フォルモサ(30万トン)が近く稼働する反面、シンガポール・エクソンモービル(27~28万トン)は下期に稼働するほかは、サウジアラビアで20万トン設備が1~2系列稼働するのみであると見られている。ただし2001年にはエジプトなど中東地域で、ナフサ以外の安価な原料を用いたコスト競争力に優れたプラントが稼働する見込み。

http://www.c-nt.co.jp/news/2000PP.html">2000年PP需要イメージ(表)