1999年12月16日
独BASF、塗料部門の1999年度業績は前年以上を見込む
2004年までに総額6億7,000万DMを投資
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF、日本油脂

 独BASFは、塗料部門の1999年度業績が前年度を上回る見通しであることを明らかにした。同部門は1998年度に1億マルク(DM、約5,000万ユーロ)増収、利益も過去最高を記録しているが、さらに今年度は40億DM(約20億ユーロ)に達すると見ている。
 同社の塗料部門は、BASFコーティングス社を筆頭に子会社・関連会社を有している。同部門が好調な理由として、9日にミュンスターで行った定例会見において「欧州およびNAFTA地区における売上が大幅に向上、通貨下落による南米地区の落ち込みを相殺する見込みであることに加え、自動車用OEM塗料や同補修用塗料、特殊用途工業用塗料などの中核製品に事業を集中した成果が現れた」ことを挙げている。
 塗料部門の売上高の構成は、自動車用塗料が約40%を占め、自動車用補修塗料が25%、工業用塗料が20%、南米における化粧板用塗料が15%となっている。BASFコーティングス社は、市場における地位向上や、買収・合弁実施により、これら中核製品のポジションがさらに高まると見ている。BASFは今後5年間に総額6億7,000万マルク(約3億4,000万ユーロ)を投じる一大計画を立てており、中核事業および高付加価値製品へ集中する戦略を進める考え。なおこの中には、高収益ベースの事業買収のための投資は含まれていない。
 また同社は、塗料事業の効率化を進めいるほか、国際化が進む中で、北米南米、欧州、アジアで上位を占める初のグローバル・プレーヤーとなることを最終的なゴールと考えている。アジア地域では、域内の自動車メーカーに対する地位の強化に焦点を当て、先ごろ日本油脂との提携に向けたFS(事業化調査)を行うことで合意した。一方、オーストラリアでは、現地大手のワッティル社と自動車用補修塗料の合弁会社を設立、太平洋地区の展開を強化した。このほか工業用塗料については、今年9月ノルウェーのノルスク・ヒドロのコイル・コーティング事業を買収、欧州および東南アジア地域における活動を強化している。

塗料事業部門の売上高比率(1999年度見込み)

地域別
 欧州 45%
 北米 30%
 南米 20%
 アジア/太平洋およびアフリカ 20%

部門別
 自動車用OEM塗料 40%
 自動車補修用塗料 25%
 工業用塗料 20%
 南米・化粧版用塗料 15%

塗料事業部門の地域別設備投資額
(2000~2004年で総額6億7,000万DMを予定)
 欧州 52%
 北米 28%
 南米 13%
 アジア/太平洋地区 7%