1999年12月14日
三菱化学、初の連結中期経営計画を発表(1)
2002年度に連結ROA6%を目指す
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱化学産資、三菱樹脂、三菱化学ポリエステルフィルム

 三菱化学は14日、同社グループ(同社と連結対象企業全社の合計220社)を対象とした中期経営計画をまとめ、その概要を発表した。同社グループとして初めての連結ベースの中計である。2000年度からの3ヵ年が目標期限。同社によると、最初に同社の取締役が全体の戦略とROA(総資産経常利益率)の目標を提示し、そして各カンパニーやグループ会社がその実現のアクションプログラムを検討して結論をまとめるという方法で全体の計画に仕上げたという。「成果責任の徹底とモニタリングシステムの採用によって目標の実現を担保するようにしている点が大きな特徴」(正野寛治・同社社長)とのこと。
 中計のベースの基本方針については、”世界で戦える高収益化学メーカーグループとして常に先を行く企業集団を目指す”と説明している。
 そして、”2002年度(2003年3月)に1,200億円の連結経常利益を確保し、連結ROAを6%(99年度見込みは1.5%)に引き上げることをグループ全体の経営目標に掲げていく”としている。2002年度の目標連結売上高は1兆8,950億円プラスα(1999年度見込みは1兆6,000億円)、同営業利益は1,410億円(同560億円)、同経常利益は1,150億円(同300億円)ーーとなっている。予想為替レートは1ドル=110円。主原料のナフサ価格予想は1キロリットル当たり18,300円。
 セグメント別に見た3年後の姿について同社長は、「売上高でも営業利益でも石油化学部門が引き続きトップを占めて当社の基幹事業部門の役割を果たすように持っていく」と説明、加えて「同部門で得られたキャッシュフローを活用して医薬部門と機能化学品部門を重点的に育成していきたい」と基本戦略を明示した。また、注目の情報電子部門の今後に関しては「収益重視に戦略を転換し、不採算事業は売却や撤退などの措置を講じていく」と思い切った戦略を展開していく考えを披露した。さらに、機能材料部門についても触れて「機能資材カンパニーと三菱化学産資の事業を統合・再編するのに加えて、三菱樹脂、三菱化学MKV、三菱化学ポリエステルフィルムを含む4社を軸にした最適事業構造を構築していく」と意欲を示した。
 さらに経営改革については、2002年4月以降条件が整った時点で持株会社制への移行を検討するほか、グループ会社を総点検・整理し、2000年度から各社にミッションを与え、これに基づいた評価制度を導入、2000年12月をめどに持株会社制を視野に入れた機能分担会社のあり方を見直す。またグループ全体としての労働生産性向上を狙いとした要因管理に関する新システム構築のため、SAPシステムの導入する、2000年6月までにグループ経営に対応した人事管理の基本方針を策定し、三菱化学本体は2001年3月に9,000名体制の実現を目指す。RC活動の充実・強化とグループ展開、中計進捗のモニタリング機能の整備なども進めていく。