1999年12月09日
BASF/日本油脂、塗料事業統合に向けたFSで合意
早ければ2000年半ばにも新会社設立へ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF、日本油脂

 独BASFグループの塗料部門を代表するBASFコーティングスと日本油脂は9日、日本における塗料事業全般にわたる共同事業化のため、経済性について調査(フィージビリティ・スタディ、FS)することで合意した、と発表した。このほど趣意書(レター・オブ・インテント、LOI)を締結したもので、2000年3月をめどにFSを完了する予定。
 両社はすでに自動車用OEM塗料(新車用塗料)の研究開発を目的に合弁会社ニチユビーエーエスエフ・コーティングR&D、自動車補修用塗料の販売会社日本アールエムを経営しているが、今回の合意により量合弁会社を発展的に解消、さらに工業用塗料も加えた塗料事業全般にわたる共同プロジェクトを目指す。新たに設立する合弁会社は、これら塗料の生産、販売、研究開発を包括することになる。
 自動車用OEM塗料については、自動車工業のグローバリゼーションに呼応して、ヨーロッパ、NAFTA(北米自由貿易協定)地域で定評のあるBASFの技術と、日本における経験、実績の豊富な日本油脂の技術とが合わさることにより、高品質で環境にやさしい塗料を競争力のある価格で内外の日系自動車メーカーに供給、あわせてテクニカルサービスを提供する。一方自動車補修用塗料は、両社が培ってきた緊密な協力関係を、OEM塗料との相乗効果とあわせ、一層強化していく考え。また工業用塗料では、BASFがヨーロッパで開発した技術と日本油脂が日本で開発した技術を相互に補完しあい、国内ユーザーのニーズに合致した技術の投入を目指す。
 なお、新会社の設立時期については、早くとも2000年6月末に開催される日本油脂の株主総会において承認された後となる見通し。