1999年12月03日
SM、アジア市況の急落続く~一部で640ドル台も
市況下落を懸念した欧米トレーダーが投げ売り
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 SM(スチレンモノマー)のアジア市況が急速に下落している。域内で数社が設備トラブルに見舞われ、需給はタイト傾向にあるにも関わらず、先行きの下落を懸念した欧米系トレーダーが投げ売りしているもので、一部ではトン当たり640ドルまで下がっている。しかし、今後も需給はタイトに推移していると見られているだけに、放出玉がなくなれば下げ止まり、その後は一定のレベルで安定するとの見方が強い。
 SMのアジア市況は、今春のトン当たり370~380ドルを境に反転、夏から秋にかけて日本で定修が相次いだことに加え、域内の数社で設備トラブルが発生したことから急速に上昇し、10月下旬から11月初めには800ドル台まで値上がりした。しかし業界内では、原料価格の値上がりに比べSMの上昇幅が大きかったため、先行きを懸念する声が出ていた。その後11月中旬に入り再び下降局面に突入、「毎週50ドルペースで値下がりする」(国内大手メーカー)急落ぶりで、現在のCFR台湾価格は640~650ドルまで値下がりしている。
 域内経済の景気回復に加え、現在も一部で設備トラブルが続いており、需給はタイトで推移しているにも関わらず下落しているのは、欧米系トレーダーの投げ売りによるものと見られている。一説には、直接のきっかけは韓国の東部韓農化学が中国向けPS(ポリスチレン)で安値攻勢をかけているのが原因であると言われている。同社の安値品が中国に流入した結果PS市況が下がったため、SMの先行きを懸念した欧米系トレーダーが玉を放出したわけだ。
 ただし、「SMが800ドルというのは極めて異常な状態」(市場関係者)であったことも事実であり、以前からSMは600ドル台で安定するのが理想という意見は根強い。中国の買い控え、また年明けには最も需要が落ち込む旧正月を控えているだけに、市況の見通しがつきにくく、各社ともトレーダーの放出が止まるまでは当分様子を見る構えだ。