2002年08月06日
生分解性プラスチック、急速に普及へ
カーギル・ダウの設備大型化ではずみ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:カネボウ、クラレ、三井化学、三菱樹脂、ユニチカ

 トウモロコシから取れるでんぷんを使って、生分解性プラスチックをつくる技術の応用が急速に進みはじめた。生分解性プラスチックの製造法は米・カーギル・ダウ社(ミネソタ州)の技術が先行しており、同社ではことし4月に年産14万トンの大型設備を完成した。これによって同プラスチックのコストが大幅に下がり、輸出価格も安くしたことから、フィルム、繊維などの実用化が進むことになったものとみられている。
 
 でんぷんを使った生分解性プラスチックの開発は欧米をはじめ日本の化学メーカーも研究開発を進めてきたが、カーギル・ダウ社の製法が確立されていらい三菱樹脂、三井化学、カネボウ、ユニチカ、などが技術提携しフィルム、発泡体、繊維製品への実用化に取り組んできた。
 
 同技術はトウモロコシからポリ乳酸を発酵法でつくる。このポリ乳酸に添加剤を加えて強度や耐熱性などを高める加工を行うわけだが、カーギル・ダウ社の技術では、ポリエステルと同じていどの強度が得られるという。
 
 三菱樹脂はフィルム設備に20億〜30億円を投資、今年中に年産3,000〜4,000トンの生産を開始する予定。また、カネボウはポリ乳酸を原料とする生分解繊維を肌着用に「ラクトロン」の商品名で、ユニチカが体育衣料用に「テラマック」で販売。産業資材用のクラレは「プラスターチ」を使っている。当面、Tシャツ、ポロシャツ、インナー、タオルや医療用、産業用の製品が開発される見通しである。
 
 関係業界では生分解性プラスチックの価格が、現在のキログラム当たり500円前後から250円ていどまで下がるとみられることから、2000年度の需要約5,000トンに対し2005年には5万トン、2010年には10万トンに達するとみている。生分解性プラスチックは土の中などで水と二酸化炭素に分解(2〜5年で)されるため環境対応型として評価が高まっている。