2002年08月19日
青色発光ダイオードの特許紛争、9月にも和解へ
日亜化学、豊田合成が話し合い
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:豊田合成、トヨタ自動車、日亜化学

 日亜化学工業(徳島県阿南市)とトヨタ自動車系の豊田合成が6年間もの長期にわたって繰り拡げてきた青色LED(発光ダイオード)の特許紛争が和解に向かって動き始めている。日亜化学によると「9月中には話し合いの結論がでるだろう」としており、豊田合成も「和解を成立させたい」考えだ。
 
 日亜合成は、この特許紛争を国内ばかりでなく海外でも広く展開してきたが、さきごろ独・シーメンスのオスラムグループと和解した。対立していた米・クリー、ロームとは今後の話し合いにもよるが日亜合成の姿勢が軟化したのは事実。和解を対外的に口にしたのは日亜化学側で8月の阿波踊りに関係各社を招いた席上だったという。
 
 同社は「豊田合成が、当社の特許を尊重する」との態度に出たためだそうだが、今後をクロスライセンスも視野に入れた話し合いが行われそうである。
 
 日亜化学、豊田合成両社の強硬な態度を変えさせたのは内外の有力メーカーが新技術で青色LED市場に続々参入。また、両社の40件あまりの特許係争も、この1年の判決をみる限り豊田合成7勝、日亜化学1勝となって特許係争環境に変化が起きたことがあげられる。
 
 両社が特許係争に明け暮れている間に世界の特許がハバをきかす状態になってきたわけだ。7月には大阪地裁が“和解”をほのめかしたと伝えられている。ディスプレイ表示装置や照明機器、レーザー(青色)などに発展しているLEDの特許が開放されれば、次の市場のステージが一段と大きくなるものとみられている。