2002年08月30日
住化、MMA板の新成形法を韓国・三進技研に供与
国内、台湾、中国向けも急ぐ 導光板用に伸びる
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学は液晶テレビの導光板用などに伸びているメタクリル樹脂板を2個取りで射出成形する新技術を開発、スミトモライトガイド「SLG」の商品名でサブライセンスしようとその対象企業を選定していたが、このほど韓国・三星電子の関係会社である三進技研に決めた。引き続き国内2社、台湾1社を選ぶ計画で10月をめどに詰めを急いでいる。また、中国との交渉も行う方針である。
 
 通常、導光板は表面をみがいたあと白色での印刷を行っているが、SLG法の場合、この印刷が不要となり導光板の成形速度が大幅にアップして、コストが下がる。さらにSLGでは透明性が高く、均質な厚みに加工できるため高精度になるとしている。
 
 住化がサブライセンスする三進技研はキャストシートと呼ばれる現地のメタアクリル樹脂板メーカーだが、SLG法では年産5,000〜1万トンの規模で企業化するもよう。
 
 住化はメタクリルレート(MMA)事業の拡大に積極的に取り組み国内で年産8万2,000トン、シンガポールで12万〜13万トン、韓国で5万トンの供給能力を確保し、さらに韓国では倍増計画を進めている。
 
 これに並行してメタクリル樹脂の用途拡大をねらっているわけで、自社でもキャストシート、押出板の成形品の増強を行っている。