2002年01月22日
藤沢薬品、ヒト遺伝子対象の「体外診断用医薬品」輸入承認取得
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:藤沢薬品、厚生労働省

 藤沢薬品工業は22日、ヒト遺伝子を対象とした体外診断用医薬品「パスビジョンHER-2 DNA プローブキット」(パスビジョン)の輸入承認を厚生労働省から取得したと発表した。
 
 ヒト17番染色体に存在するHER-2遺伝子は、細胞の分化・増殖・生存の制御に関与するとともに、腫瘍の増殖において重要な役割を果たしている。乳癌をはじめとする各種の癌などでは、HER-2遺伝子の増幅または蛋白の過剰な発現が見られることが報告されている。
 
「パスビジョン」は、FISH法(fluorescence in situ hybridization :蛍光標識されたDNA プローブを用いた遺伝子検出測定法)により、ヒト乳癌組織・細胞のHER-2遺伝子の増幅を正確に測定するための体外診断用医薬品。
 
 2001年6月に日本ロシュ社から、抗HER-2ヒト化モノクローナル抗体の乳癌治療薬「ハーセプチン」(一般名:トラスツズマブ)がHER-2の過剰発現が確認された転移性乳癌の治療薬として発売された。

「パスビジョン」は、米国バイシス社によって開発された体外診断用医薬品で、1998年12月に米国食品医薬品庁(FDA)から承認され、現在、世界50カ国以上で発売されている。日本では、同社が2001年 年6月厚生労働省に申請し、このほど輸入承認を取得した。本年3月頃の発売を見込んでいる。