2002年09月11日
イネオスの大型フェノール工場が爆発、需給に影響必至
アセトン、BPAも含め全世界で供給不足が一層深刻に
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 世界最大のフェノールメーカーである米・イネオスフェノールのアラバマ工場の大型フェノールプラントが現地時間の9日午前1時30分に爆発炎上した。反応器が突如爆発した模様だが、その原因や復旧のメドなど詳細はまだ明らかにされていない。ただし、事故の大きさから判断して、フェノールの生産再開までには最短でも3ヵ月ていどかかるのではないかと見る向きが日本のフェノール関係筋に多い。現在のフェノールの需給バランスは全世界的にタイト化が急速に進んでいるだけに、今回の大型装置の爆発炎上によって、フェノールはむろんのこと副生するアセトンや誘導品のビスフェノールA(BPA)も品不足がさらに深刻になると見られる。特にアジア地域ではパニックに近い事態が発生するとの見方が有力となっている。
 
 イネオスが保有しているフェノールプラントの総設備能力は年産140万t。うち100万tが西欧(ドイツとベルギー)、40万tが米・アラバマ工場となっている。フェノールの全世界の生産能力は780万t、うち米国の総設備能力は約280万tと見られている。アジア地域の総設備能力は190万tと推定されている。

 一方の需要は全世界的に急速な伸びを遂げている。BPAの需要がポリカーボネート向けを中心に急増しているのが主因。特にアジア地域での伸びが大きく、今年に入ってからは前年同月を14%前上回る成長が続いている。このため域内の設備だけでは対応できず、イネオスをはじめとした米企業からの輸入の拡大によってかろうじてバランスが維持できている状態にある。
 それだけに、今回のイネオスの事故の影響は特にアジア地域に大きく及んでくる見通しだ。フェノールは「もとより、アセトンもBPAもしばらくはパニックの状態が続くことになると予想する向きが多い。当然、全ての製品の市況の上昇傾向にも一段と拍車がかかることになろう。