2002年01月21日
日本精機が4月から有機EL生産
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEC、三洋電機、昭和電工、新日鐵化学、ソニー、大日本印刷、チッソ、東北パイオニア、パイオニア

 究極の次世代ディスプレーとして注目されている有機ELディスプレーの製品化計画が相次いでいるが、日本精機(永井正二社長、長岡市、025-824-3311)は4月から長岡市のR&Dセンターで生産を開始する。

 同社は自動車、二輪車計器の大手メーカーで、1999年に米イーストマン・コダック社から有機ELの技術ライセンスを取得、昨年はじめから材料の研究や温度、振動など車載環境での耐久性を研究、さらに9月からクリーンルームや水分を除去する封止装置などの取り付けに着手した。投資額は約15億円。

 自動車の計基盤、リンクメーター用とし回路基板に取りつけたモジュールの形で、計器パネル換算の月産5万枚をめざす。タイプはエリアカラーのパッシブ型有機EL。

 有機ELは電流で自らが発光する自発光デバイス。液晶のようにバックライトで照らす必要がなく省エネルギー型で、自から発光するため光が当っても見やすく、マイナス20~30℃の低温でも動きが鈍らない特徴がある。
 パネルが液晶の約5mm厚に対し、1mmと薄い。同社では普及状況をみながら量産にのりだしたい意向。

 有機ELは東北パイオニアがパッシブ型で先行しているが、最近になってイーストマン・コダック社と技術提携した三洋電機や昭和電工が企業化の名のりをあげ、フルカラーで動画再生を対象としたアクティブ型で競争している。これより先、ソニー、大日本印刷、NECなどのディスプレー各社も有機ELの実用化に取り組んでいる。

 化学、素材分野では出光石油化学、チッソ、新日鐵化学なども有機EL分野への進出をうかがっている。