| 2002年11月01日 |
| 住友化学、コネクター用などの液晶ポリマーを倍増 |
| 塩基性有機触媒で反応スピード大幅向上 |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:住友化学 |
住友化学は塩基性の有機触媒を用いた液晶ポリマー「LCP」の新製法を開発した。新製法は従来の触媒を使用しない生産方法に比べ、モノマー間の反応速度が大幅にアップし、また副反応を著しく抑制することができる。さらにビスフェノール、フタル酸、パラヒドロキシン安息香酸などを原料とする全方向性ポリエステルの同触媒は重合時の昇温過程で副生産物とともに外部に排出されるのでポリマー中に残らないという利点を持っている。 同方法で生産されるLCPは高耐熱性(300℃)、加重たわみ温度(275〜340℃)を維持しつつ、流動性も従来のものより30〜40%高い。そして副反応成分でありオリゴマー(低重度の重合物)の量を極力抑えるため、樹脂加工時の熱安定性が向上、ハンダ工程でのプリスター(表面発泡現象)を低減できるという。 ポリマーの色調(白色度)が向上することから、発光ダイオード(LED)部品のような白色度が要求される用途にも適している。 同社では愛媛工場の現有年産2,000トン設備に触媒添加装置をつけるだけでポリマー重合時の反応速度が向上するので年産4,000トンまで増産できるとしている。 液晶ポリマーはコネクターの半導体部品用として微細化、ファインピッチ化が求められている。同社は液晶ポリマーを「スミカスーパーLCP」の商品名で販売しているが、順次、新製法への切り換えを進め、業界トップのチコナ/ポリプラスチックグループを追撃する方針。 |