2002年11月25日
晝間電化社長会見「経営改革に成果」強調
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:デンカ生研、デンカポリマー、電気化学工業

 電気化学工業の晝間敏男社長は22日記者会見し、中間決算説明を行った。この中で「上期は大幅増益となったが、下期はさらに若干の改善が期待できる。経営改革が進み特損がほぼ一掃されたので、営業利益がそのまま最終利益に反映する形もできた」など、今後の業績拡大に意欲と自信をみせた。発言要旨次の通り。

(1)中間期は売上げは微増だが、大幅増益となった。まずまずといったところだ。セグメント(石油化学、機能製品、セメント・建材、医薬、その他)別に見ても、セメント・特殊混和材部門を除けば、心配な材料はほとんどない。肥料・無機事業にしても、収益性は低いが、基礎事業として貢献している。セメントは予想以上に環境が悪いが、ふつう下期は上期より業績が上がるので、通期業績はもう少し改善すると思う。

(2)重点成長分野の拡大には、引続き積極的に取り組む。来春、東洋化学を100%子会社化するが、デンカ化工、デンカポリマーとの連携を強化して、シナジー効果が最大限発揮できるようにしたい。電子包材は好調なので能力増強を図ってきた。川下への展開に力を入れていきたい。デンカポリマーの食品包材、OPSやシートは苦労はあったが、戦略的には成功した。今はよく伸びており、チャンス再来といったところだ。透明樹脂、クリアレン、耐熱・耐薬品樹脂などの機能樹脂は、さらに増収益が期待できる。クリアレンは新プラントを立ち上げた。

(3)医薬品事業は絶好調だ。「スベニール」は順調に需要が拡大している。昨年秋30%の能力増強を行ったが、来年後半には倍増工事が完了する。デンカ生研のインフルエンザワクチンも新設備が完成して、売上げが急増している。検査薬など新しい分野に本格進出するため、新たに50億円の投資を計画している。親会社として積極的に支援していきたい。

(4)これまで収益基盤安定化のため、事業の選択と集中に取り組んできた。今度、日本重化学工業から「アヅミン」を譲り受けるが、当社にとっては肥料事業の充実につながる。年商30億円規模だが収益性はいいし、全国各地で使われている。一方、負担になっていた成瀬証券や、デンカ製薬は株を手放すことにした。今後も売上高営業利益率10%以上、ROA5%、有利子負債1,200億円以下を目標に一層の経営効率化と財務改善を図っていきたい。