2005年11月10日
BP/シノペックの酢酸JV設立、南京でセラニーズと競合
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)
 11月3日、BPとシノペックの酢酸製造JV、BP YPC アセチル(南京)の設立の式典が南京市で開催された。BPが50%、シノペック子会社の揚子石化が50%出資し、BP Amoco がモンサント技術を基に開発したCativa 法で南京ケミカルパークに年産50万トンの酢酸を製造する。2007年下半期の稼動を目指す。製品は一部はシノペックが使用、他は国内で販売する。
(参考 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=15813 )

 南京ではセラニーズが酢酸の工場を建設中。こちらは自社のAO Plus 技術により、年産60万トンの酢酸を製造するもので、2007年上半期に生産開始の予定。

 BPはマレーシアや韓国で、セラニースはシンガポールで酢酸を生産しているが、酢酸業界での世界のリーダーが同じ場所で競合することとなる。

 両社の製法はいずれもメタノールとCOを原料とする。セラニーズはメタノールとCOを香港資本のWison(惠生)グループの子会社・惠生(南京)化学から購入する。惠生(南京)化学は南京ケミカルパークでテキサコの石炭ガス化技術により年産30万トンのメタノールと同じく30万トンのCOを生産するプラントを建設中で、2007年初めにも生産開始の予定。セラニーズはほかに、英国の工業ガス大手BOCの南京工場から天然ガス原料のCOを購入する契約も結んでいる。

 BPの原料ソースは明らかになっていないが、惠生(南京)化学がもう1系列を建設する計画があるとも言われている。

 中国は2004年に525千トンの酢酸を輸入したが、両計画が完成する2007年には、中国の高コストのアセチレン原料の酢酸の停止がなければ、逆に過剰状態となる。両計画は中国だけでなく、アジアの需給も変えると見られている。