2017年10月12日
第3回「日中化学産業会議」で記者会見
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:石油化学工業協会、日本化学工業協会
左から傳、石飛、淡輪の3氏

日化協、石化協、中国CPCIF(中国石油・化学工業連合会)の3者による「2017 日中化学産業会議」は11、12の両日東京で開催され、化学工業の現状や課題を中心に幅広い意見交換が行われた。
中国からは傳向升CPCIF副会長を団長に25名の代表団が来日し、石飛修日化協会長(住友化学会長)、淡輪敏石化協会長(三井化学社長)ら日本側代表と都内のホテルで話し合いが行われた。初日のテーマは化学・石油化学業界の現状報告と、新材料・先端技術の協業の可能性など。2日目は環境対策や通商問題などが取り上げられる。

11日夕、初日の会議を終えた日中の業界首脳は、なごやかな雰囲気で記者会見に応じた。
まず感想について、石飛日化協会長は「日中会談は3回目だが、中国の業界の現状がよく理解できた。協業、補完し合えるのではないかという話も出た。有意義な会談だった」。傳中国代表は「CPCIFとしても日本との話し合いは重要だと認識している。今回は政府と発展改革委員会、企業から25人で訪日した。化学産業の現状や環境規制への取り組み、今後のビジョンについて説明し、多くのコンセンサスを得た。これからも毎年会談し成果をあげていきたい」。淡輪石化協会長は「中国の化学産業の成長とスピードには目を見張るものがある。構造的に上流部門で能力過剰、下流部門では輸入品増大といった課題を抱え、これに強い問題意識を持っておられることも分かった。環境問題では日本が先に苦労してきたので、情報提供など協力していきたい」などとそれぞれ語った。

また、傳代表は記者側からの質問に答えて「中国政府は今厳しい環境対策を講じている。このため生産停止命令を受けた企業も出ている。しかし、国の生産量全体に大きな影響が出ているわけではない。政府が打ち出している“青い空を守る戦い”は今後の経済成長にとってあくまで必要なものだ」「今年上期の日本との化学品貿易高を見ると全体で156億ドルだが、日本からの輸入105億ドルに対して中国からの輸出は50億ドルしかない。輸入品は主に川下製品だが、日本が炭素繊維など高機能材料に強みを持っていることは知っている。今後協力し合うことで新しいマーケットを開き、両国の経済発展につなげていきたい」などと“協業”に力を込めていた。