住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2003年02月20日
ジョンソン・エンド・ジョンソン、人工真皮領域に本格参入
「ペルナック」の販売権を取得、3年で10億円の売上目指す
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:なし

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは20日、人工真皮の領域に本格参入したと発表した。興和株式会社から商品名「ペルナック」の人工真皮の販売権を引き継ぐことで実現したもの。初年度2億5,000万円、3年で10億円の売上を目指す。
 
 同社が今回販売を開始した「ペルナック」は、グンゼ株式会社と鈴木茂彦・京都大学大学院医学研究科教授、筏義人・鈴鹿医療科大学教授の両教授とが共同研究の結果開発に成功したもの。全層皮膚欠損創に対して真皮組織を再建させるというユニークな機能を発揮する。コラーゲンの抗原性を減弱させたアテロコラーゲンによるスポンジ層とシリコーンフィルムとの二重構造を持ち、凍結乾燥させることで保存運搬が可能なように仕上げられている。
 熱傷〓度の創傷、外傷性皮膚欠損、腫瘍・母斑切除後の皮膚欠損など欠損創の創面に貼付するだけで肉芽の形成を促す。皮膚の欠損の度合いによって異なるが、数週間あるいは数ヵ月で真皮を再生し、表面に薄い表皮を貼り付けることで元の外観の皮膚に戻すことができる。
 グンゼが96年3月に発売、いらい、全層皮膚欠損創に対する有用な材料として臨床現場で広く採用されている。02年度の売上高は約10億円の見込み。
 
 ジョンソン・エンド・ジョンソンは、かねてから褥痩用ドレッシング材など創傷治癒を専門とする事業部門を保有している強みを生かし、人工真皮領域でも強力な基盤を構築していく考え。グンゼと提携関係を結んだことは、医療機関に対して迅速な対応をしていく上でもメリットが大きいといえそう。なお同社では、グンゼとは、同社の吸収材料を使用した脳外分野での医療用材料の上市を目的とした研究開発も共同で進めている。





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