2004年02月04日
エチレンプラントの定修、今年は合計8基
昨年より2基増えて需給のタイト化進む公算
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:新日本石油、新日本石油化学、東ソー、丸善石油化学、三井化学、三菱化学

 わが国のエチレンプラントの今年の定修基数は合計8基(うち1基は増強炉)となることが確定した。昨年より2基多い。全体のちょうど半分のエチレンプラントがそれぞれ1ヶ月前後運休することになる。最近は世界全体で石油化学製品の需給が急速に逼迫化しつつあり、うちアジア地域では極端な品不足をきたす製品も出はじめている。このままいくと、わが国の定修が集中する3月中旬から10月上旬までの間のアジア市場では事態が一段と深刻になりそう。
 
 今年の定修・運休プラントは、東ソー・四日市の年産49万3,000t(3月中旬から4月下旬)、山陽石油化学・水島の同44万3,000t(同)、丸善石油化学・千葉の同48万t(5月中旬から6月中旬)、三菱化学・鹿島の同37万5,000t(5月下旬から6月末)、三井化学・堺の同45万2,000t(7月上旬から8月中旬)、新日本石油化学・川崎の同39万4,000t(8月下旬から9月下旬)、出光石油化学・徳山の同45万t(9月中旬から10月下旬)、同・千葉の同17万t炉(同)--となる見通し。
 また、韓国でも4月から6月にかけてHPC、YNCC、現代石油化学の合計3基のエチレンプラントが定修のため運休することになりそう。さらにはタイ・TOCやマレーシアのタイタン石油化学も春に定修を予定している。加えて夏場から年末にかけては、台湾とアセアンで春以上の規模の定修が計画されている。
 
 一方では、中国を中心に石化製品全体の需要が一段と活発化する傾向にある。このため大手商社やエチレンセンターの多くは、今年の石化製品のアジア地域の需給はかつてないほど逼迫するとの判断を強めている。