2004年07月06日
三井化学、大阪工場の定修とC3増産工事の仕上げへ
8月中旬にはプロピレンセンターとして再スタート
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:新日本石油、新日本石油化学、住友化学、東洋エンジニアリング、三井化学

 三井化学は10日から大阪工場の定修に入る。8月中旬まで運休する。今年春から本格操業を開始した年産30万トン能力のPP新プラントをはじめとした多くの誘導品装置も、この間、運休して定修を実施する。このため、最近タイト化が進んでいるわが国の石化製品、特にPPの需給バランスは向こう1ヵ月半にわたって一段と逼迫することになりそう。
 
 しかし今回の定修で最も注目されるのは、同社がかねてから取り組んでいたプロピレンの増産のためのエチレンプラントの改造工事がこの期間に一気に進められて完工となる点だ。いわゆるメタセシス法によって精製エチレンとブテン類をプロピレンに転換する設備を付加する工事がいよいよ仕上げとなる。
 この結果、同工場のプロピレンの生産能力は現在の年産28万トンから一気に14万トン増えて同42万トンに拡大される。PPをはじめとしたプロピレン系誘導品の今後の需要拡大に備えての措置で、わが国では初めての“プロピレンセンター化構想”の実現となる。
 採用技術は、ルーマス社のOCU(オレフィン・コンバージョン・ユニット)技術。主要コントラクターは東洋エンジニアリング。
 同社に続いては、新日本石油化学が川崎・浮島で、また住友化学がシンガポールで同じ手法でプロピレンの大幅増産体制を整備する計画。