2004年08月23日
旭化成、ロシアのKOS社にポリカーボネート技術供与
台湾についで2社目、引き続き海外にライセンス
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ、東洋エンジニアリング、三井物産、化学工学会

 旭化成ケミカルズ(TEL/03-3507-2852)は23日、ロシアのタタルスタン共和国カザン市に本社を持つカザンオルグシンテツ社(略称・KOS)と旭化成のポリカーボネート(PC)技術をライセンスする契約を結んだと発表した。
 
 同技術は非ホスゲン法と呼ばれ、毒性の高いホスゲンやオゾン層に影響を与える塩化メチレンなどの物質を使わず、廃水も発生しないため、環境に優しいクリーンなプロセスであることが特徴。
 
 二酸化炭素とビスフェノールA(BPA)を原料に生産する。製品中に塩素などの残留物がでないことから金型汚染がなく、光学特性に影響を及ぼす異物が少ないため、とくに光ディスク材料に適している。
 
 旭化成ケミカルズはこの技術を台湾の奇美実業との合弁会社・旭美化成に供与、2002年6月から生産を開始。また、その成功により、同年にグリーン・サステイナブル・ケミストリー(GSC)賞、03年に日化協技術賞、化学工学会賞を相次いで受賞した。
 
 KOS社向けはこの技術供与に次ぐ2番目。同社では引き続きこの技術のライセンス供与に力を入れる方針で、当面、中国向けが有力視されている。
 
 KOSは07年11月までにカザン市に年産6万5,000トン設備を完成させる計画。ロシアのPC第1号プラントとなる。KOSとの提携には三井物産と東洋エンジニアリングが仲介役をつとめた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/0823asahikasei.doc

参考記事
旭化成、中国でポリカーボート事業
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.cgi?CODE=13934