2005年03月03日
中国、電力料金アップでPVC業界に「変化」か
カーバイド法メーカーにコスト・アップの影響広がる
【カテゴリー】:海外(経営)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)
 中国四川省政府は2月初めに電力料金を平均7%引き上げた。石炭価格の上昇にリンクさせる目的で実施したもので、他の省でも今後引き上げが予想されている。

 電力料金の値上げは、カーバイド法PVCメーカーに特に強い影響を与えることとなる。PVCメーカーはカーバイド法メーカーもエチレン法メーカーも同様に塩素コストのアップによる影響を受けるが、前者の場合はそれに加えてカーバイドコストのアップの影響を受ける。

 PVC1トンの生産には1〜1.5トンのカーバイドが必要だが、カーバイド1トンの生産には3,700KWh(キロワット/時)の電力が必要とされる。電力料金は業種により異なるが、四川省のあるPVCメーカーによれば、これまでの0.42人民元/KWH(約5.3円)から少なくとも 0.1人民元(1.3円)引き上げられた。カーバイド法PVCの売価は現在7,800〜8,000人民元/トンだが、カーバイドコストのアップだけで500人民元/トン程度のコストアップとなる。

 CNTニュースで既報(2004/11/24)の通り、四川省楽山で巨星グループと通威グループとの50/50JVの樂山永祥レジンが、カーバイド法年産4万トンプラントを2004年末に10万トンに拡張したが、電力料金のアップもあってか、スタートアップが遅れている。(ただし同社は依然として50万トン計画を遂行するとしている)

 中国では、エネルギー消費が多いことや環境問題から一時はカーバイド法PVCを廃止する動きがあったが、PVC需要の大幅増に対処して、休止中のカーバイド法設備の稼動や新・増設で自給能力を高める方向を目指し始めていた。
 
 上記の樂山永祥レジンも、石油価格アップの影響でエチレン法PVCのコストがアップしたため、エネルギー消費が多いにかかわらずカーバイド法でも競争力を有するとし、2005年末に20万トンへ増設、その後30万トンの増設を行い、計50万トン体制を目指すとしていた。2004年の中国のPVC生産量の約60%はカーバイド法と見られている。

 ここにきて電力料のアップでカーバイド法PVCは競争力を失いつつある。業界では今後はエチレン法、特に輸入PVCが有利になるだろうとみている。

<参考記事>
・樂山永祥レジン http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=15028
・カーバイド法  http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=11710