2005年06月17日
ジェイフィルム、生産体制を大幅に改善
Tダイ品を成田の新工場に集中、岩槻は倉庫に
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:その他

 ポリエチレン製フィルムの大手企業の一つであるジェイフィルムはこのほど千葉県栗本町にポリエチレンフィルムの新工場を完成、岩槻と成田の両工場からのTダイとコータの移設作業を開始した。これは、同社のポリエチレンフィルム部門全体の競争力強化には主要品種の生産体制の思い切った再構築が不可欠と判断して、先ずはTダイフィルムの生産の集約化から着手することにしたもの。Tダイフィルムに続いては、インフレーションフィルムの生産体制の再整備にも乗り出す。合わせて、高付加価値品種の構成比率の向上にも一段と拍車をかけていくことにしており、こうした一連の体質改善策がどういった成果を上げるかが注目される。
 
 今回完成した新工場は、Tダイフィルム専用工場として建設されたもの。敷地面積は約4万6,000平方メートル、工場建屋の敷地面積は約5,300平方メートル。これまで同社は、岩槻と成田の二つの工場でTダイフィルムを製造してきたが、今後は全て新工場で集中生産していく。このため、岩槻工場と成田工場で稼動してきた合計10台のTダイを今年10月までに全て新工場に移設、新たに9台体制に組み直した上で生産を再開する計画。
 これによって、生産コストの合理化を図り、合わせて、イージーピールフィルムなどの高付加価値品種や衛生材料のバックシートなど同社が得意としている品種へのウエートシフトを加速していく考え。
 これに伴い岩槻工場は、インフレーションフィルムに続いてTダイフィルムについても量産工場の役割を終了、秋以降は製品倉庫に姿を変える。
 
 これに続いては、インフレーションフィルムの生産と物流の合理化に取り組むことにしている。すでに同社では、採算の確保が容易でないレジ袋の生産の多くはフィリピンの子会社に移しており、したがって今後はレジ袋以外の品種の生産体制の国内での再整備が課題となっている。成田、静岡、仙台の3拠点の周辺市場のニーズに対してより的確かつ効率よく対応していくためのプランをできるだけ早く作成したいとしている。同社では、こうした一連の改善策によって差し当たり年間3億円の合理化効果を上げていくことにしている。