2005年09月02日
PETボトルの容リ協回収が依然として前年割れ
7月も減少で、4〜7月累計は前年同期の11.8%減に
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 容器包装リサイクル法に基づいて日本容器包装リサイクル協会が市町村から引き取っている使用済みPETボトルの数量が依然として低水準にとどまっている。
 
 同協会が全国の市町村から7月に引き取った分別収集PETボトルの総数量は1万5,841トンで、前年同月の実績を17.7%下回った。これで今年度に入ってからの4ヶ月全てが前年同月割れとなった。4〜7月の累計は5万7,033トンで、前年同期を11.8%下回っている。
 
 使用済みPETボトルが容器包装リサイクル法に沿って全国の家庭から市町村の手を経て同協会の委託先に引き取られてリサイクルされるようになったのは平成9年。いらい8年間、年間引き取り量はつねに前年を大きく上回ってきた。16年度も前年度を10.3%上回り、年間総引き取り量は19万1,726トンとなった。
 それが今年度に入ってからは4ヶ月連続で前年同月を割り込む事態となっている。これまでに一度も見られなかった現象で、このためリサイクル企業の中には必要原料を確保できなくなって開店休業に追い込まれるところも現われている。
 日本容器包装リサイクル協会の調べによると、このように引き取り数量が突然減ってきた最大の要因は、市町村の中で、回収したPETボトルを中国に販売ルートを持つ特定のトレーダに売却するところが出てきたことにあると言ってよいようだ。
 この状態が続くと、国内のリサイクルシステムが大きく混乱して容リ法の存続さえ危うくなりかねない。
 
 一方、同協会の委託を受けて収集PETボトルをリサイクルしている事業者の7月の総リサイクル(再商品化)量は1万3,296トンとなった。こちらは前年同月の実績を14.2%上回っている。4月からの累計は5万3,661トンで、前年同期を11.5%上回っている。いまはまだ在庫で賄っていけているようだが、引き取り数量の減少が続けば深刻な事態に陥ることになる。